巨人、築地新球場は屋根付き人工芝、開閉式で天然芝じゃないの? 専門家は「経営側がどちらを向いているかということ」

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球場に必要なノスタルジー

 一方、築地のマルチスタジアムは多目的だから天然芝は無理だという。

「ニューヨーク・ヤンキースの本拠地として知られるヤンキー・スタジアムは2012年に改装された天然芝の球場ですが、実はMLS(メジャーリーグサッカー)のニューヨーク・シティFCの本拠地にもなっています。サッカーの時には内野にも天然芝を敷くことで対応しています。アメフトの試合も行われますし、東京ドームほど頻繁ではないけれどイベントも行われていますよ」(友成氏)

 開閉式の屋根にすれば、天然芝でもイケたかもしれない。開閉式にするのに費用がかかるというなら、小池百合子都知事が推す太陽光パネルでも屋根に張れば、それくらい回収できるかも。もっとも、東京は屋根がなければ夏は暑すぎるという問題がある。

「1988年に完成した東京ドームは、ミネソタ・ツインズの本拠地だったメトロドームを真似たものでした。ミネソタは非常に寒い地域なので、ドーム型で人工芝を採用しました。東京ドーム同様、風船のように気圧で屋根を押し上げる構造です。ところが、屋根のおかげで寒さはなくなったものの、ファンにはカッコ悪いとバカにされていたんです。あまりにも不評なため現在のターゲット・フィールドを建設し、屋根なしで天然芝に変えると客足が増えました。昨年までツインズにいた前田健太投手がぼやいていたほどの寒さですが、それでもファンは厚着をして天然芝の球場に足を運んでいます」(友成氏)

 やはり東京にも天然芝の球場を望む声は少なくない。

「次はファンも納得する球場にしてもらいたいですね。MLBでは天然芝の球場に建て替えるにあたり、その多くが左右非対称の“ネオクラシック”のデザインを採用しました。プロ野球にはノスタルジーも必要なんです。どうせなら天然芝だった頃の後楽園球場 にようにしてもいい。ON(王貞治・長嶋茂雄)が活躍したノスタルジーを味わいたい人だっていると思います」(友成氏)

デイリー新潮編集部

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