「今永ほどクレバーな投手に出会ったことがない」 当時のスカウトが明かすカブス・今永昇太の驚愕の頭脳

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運動神経とリズム感

 そんな今永は教育者一家に育った。彼が在籍していた当時の北筑高野球部長で、現在は福岡県立小倉商業高の野球部監督を務める田中修治氏(59)によれば、

「一昨年亡くなった今永のお父様はかつて中学校の体育教師をしていました。若い頃は卓球の選手としてインカレに出たこともあり、運動神経抜群でした。校長経験も豊富で、高校受験を控えた生徒たち一人ひとりに模擬試験を行うような、教育に情熱を注いだ方だったと聞いています」

 その傍らでハーレーダビッドソンを乗り回す豪快かつユニークな一面を持っていたとか。

 母親も中学校の音楽教師を務めていたといい、

「律儀な方で、今永が卒業した後も北筑高の公式戦があると、いつも応援に駆け付けてくださいました。彼がプロになってからは登板があるたびに、全スポーツ紙を購入して目を通している愛情に溢れたお母様です。ちなみに、今永もリズム感に優れており、楽器をやらせると何でもすぐに上達したようです」(同)

 話を聞くほどに、教師だった両親の素晴らしい能力を見事に受け継いだとしか思えない。この先もアメリカで、さらにその能力には磨きがかけられていくだろう。“投げる哲学者”の成長は続く――。

週刊新潮 2024年5月16日号掲載

ワイド特集「新緑の便り」より

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