田中将大(35)10年前に「ヤンキースが許していれば…」と米代理人の嘆き 「家族旅行」と「食事会」が意味する200勝との距離感と達成後の“引退説”

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正しかったヤンキースの冷徹な判断

 にもかかわらず、7年契約が切れた20年オフ、ヤンキースは再契約に消極的だった。

「確かに30過ぎで大きな契約は望めない年齢でしたが、ダルビッシュ(有投手=パドレス)は一昨年のオフに36歳で6年契約を結んでいます。ヤンキースが田中の残留に後ろ向きだった一因は肘の状態を不安視していたからです。チームの都合でPRPにしておきながら、契約が切れたらマー君の残っている力を値踏みする。冷たいようですが、日本に復帰した後の投球を見ると、結果的に正しかったと言えます。今の年齢でのトミー・ジョンは現実的ではないので、現状の球威で何とか白星を重ねるしかありません」(同代理人)

 田中将は楽天復帰後、4、9、7勝と一度も2桁勝利に届いていない。今年2月の術後初のオープン戦登板で球速は最速141キロにとどまった。3度目の登板では146キロまで伸びたものの往時の球威には遠かった。

 開幕ローテーション入りを逃した直後のYouTubeチャンネルではこう語っている。

「望んだ形にはならなかったが、失敗だとは思っていない。リハビリで状態を上げていく段階の中で、うまくいかないことだったり、全てが順調に進むっていうことは珍しいと思っていた。前に進んでいる実感は自分自身の中にはあるので、そう悲観的にはなっていないです」

 現役生活の岐路に立たされていても、前向きさを失っていないのは救いか。

デイリー新潮編集部

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