新宿「タワマン刺殺」容疑者はなぜ「キャバクラ」に“結婚”を持ち込んだのか? 疑似恋愛を「娯楽」と割り切れない男のさみしい心理

国内 社会

  • ブックマーク

「匂わせ」はやめた方が

 正直この手の事件を知ると、被害女性を気の毒だと思うのに加えこのモテない男達へのシンパシーは感じてしまう。あぁ、あなたは人生でモテた経験がなく、女性の気持ちが分からないんだな……と。

 キャバクラ通いはあくまでも「娯楽」と割り切るべきである。そこに「恋愛」「結婚」を持ち込むとおかしなことになる。それとは別に「性欲」を求めるのであれば、風俗店がある。そちらに行くべきだ。

 そして、キャバクラ業界は、カネ儲けもいいが、「匂わせ」はやめた方が従業員を守る結果となる。キャバクラの暗黙のルールを理解せず、しつこく言い寄ってくる客がいる場合は「従業員との恋愛は禁止しています」等の念書を書かせるなど、キャバ嬢の安全を守るための方策を実施する時期になっているだろう。

中川淳一郎(なかがわ・じゅんいちろう)
1973(昭和48)年東京都生まれ、佐賀県唐津市在住のネットニュース編集者。博報堂で企業のPR業務に携わり、2001年に退社。雑誌のライター、「TVブロス」編集者等を経て現在に至る。著書に『ウェブはバカと暇人のもの』『ネットのバカ』『ウェブでメシを食うということ』『よくも言ってくれたよな』。最新刊は『過剰反応な人たち』(新潮新書)。

デイリー新潮編集部

前へ 1 2 3 次へ

[3/3ページ]

メールアドレス

利用規約を必ず確認の上、登録ボタンを押してください。