あれから25年…松坂大輔VSイチロー 3打席連続三振!“伝説”の初対決を振り返る!

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「真っすぐで空振り三振を取りたかった」

 1回表、松坂は谷佳知を右飛、松元秀一郎をこの日の最速154キロ直球で空振り三振に打ち取り、2死無走者で、3番・イチローを迎えた。

 イチローは独特のゆったりしたテンポの構えから初球の内角低め149キロ直球を見送ったあと、2球目の153キロ直球をファウルしたが、ここから松坂はイチローのリズムを崩すかのようにテンポ良く次々に投げ込んでくる。

 そして、カウント2-2からの6球目、イチローのバットは、見送ればボールにも思える147キロ外角直球に空を切り、空振り三振に倒れた。公約どおり、“平成の怪物”がイチローを力でねじ伏せた瞬間だった。松坂自身も「第1打席の三振が一番うれしかったです。スライダーよりも真っすぐで空振り三振を取りたかった」と語っている。

 2打席目は西武が中嶋のタイムリーで1点を先行した直後の3回表。2死一、三塁でイチローを迎えた松坂は4球目に暴投で二、三塁とピンチを広げるが、フルカウントからの6球目、134キロのスライダーをほぼ真ん中に決め、見逃がし三振に打ち取る。シーズン開幕後、138打席で三振はわずか9個しかなかったイチローが、同年初めて記録した連続三振だった。3球目を除いていずれも変化球で攻められたイチローは「最後は直球勝負」と読んでいたとあって、「頭でイメージしたところと違っていた」と悔やしがった。

裏をかかれて2度目の空振り三振

 3度目の対決は、西武が鈴木健のタイムリーで2対0とリードを広げた6回無死。先頭打者・イチローに対し、松坂は内角に直球を続けて投げ込んできた。イチローも初球と5球目をファウルし、カウント2‐2からの松坂の6球目、スライダーがすっぽ抜けて真ん中高めに入って来た。

「最後はスライダー」と予想していたイチローは「(6球目は)外してくると思っていたけど、セオリーどおりに来た」と裏をかかれる結果となり、この日2度目の空振り三振。3打席いずれも三振を奪われたイチローは、ベンチに引き揚げる途中、未練を引きずるように3度もマウンドの松坂を振り返った。イチローが同一投手から3打席連続三振を喫するのは、1994年9月27日の近鉄・高村祐以来だった。

 だが、8回2死の4打席目はカウント3-1から四球。「最後の打席がすごく悔しい。力み過ぎ」と残念がった松坂だったが、2死一塁からゴンザレスを右飛に打ち取ると、8回を141球、3安打、13奪三振の無失点でマウンドを降りた。

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