「勤務中に肋骨3本を折ったのに“1カ月で出社しろ”と…」 山崎製パンの“凄絶ブラック労働”の実態 「コロナにかかったのに強制出勤」も
「全治2カ月なのに“1カ月で出社しろ”と…」
「週刊新潮」はこれまで「山崎製パン」で異物混入事案が相次いでいることや、工場で事故が発生する背景をお伝えしてきた。今回紹介するのは、足の骨が折れているにもかかわらず勤務させられたり、車で通勤中に事故に遭っても“警察を呼ばずに出勤してくれ”と命じられたりするなど、ブラック過ぎる労働環境の実態である。
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「山パンが超ブラック企業なのは間違いありません。働いていた時に自分や仲間の間でよくあったのが、ケガをしていても休めないことでした」
そう話すのは、横浜第二工場で長らくセールスドライバーを務めていた男性である。
「自分の例としては、トラックの荷台から落ちて肋骨を3本折った時、全治2カ月だったのですが、1カ月で出社しろ、と言われました。また、車で通勤中に追突されたので上司に連絡して“警察呼びます”と言ったら、“いや、そのまま出勤してくれ”と命じられたこともあります」
他にも、
「股関節に痛みがあったのに無理やり出勤させられ、仕事中、あまりに痛いので病院に行ったら大腿骨が折れていた、という人がいました。あと、坂で停めていたトラックが動いてしまい、ひかれて足を骨折した人の場合、代わりのドライバーは用意してもらえたものの、“道が分かるお前も乗ってろ”と上司に言われ、骨が折れているのに助手席に乗ってその日の配送が終わるまで働かされていました」
「一番つらかったのは、父の死に目に会えなかったこと」
同工場の別の元セールスドライバーもこう語る。
「一番つらかったのは、父の死に目に会えなかったことですね。ヤマザキパンの配送は1日に2便あるのですが、2便目の配送前に父親が危篤状態だという連絡が入り、上司に“何とかなりませんか”と掛け合ったものの“(配送に出て)できるだけ早く帰ってこい”と取り合ってもらえませんでした。セールスドライバーは常に人が足りていないのでそうなってしまうのです」
そうした環境で働かされているためか、
「2010~12年ごろにはドライバーが死亡事故を起こしたこともありました。配送中に前方不注意で原付バイクをはねてしまったのですが、原因は居眠り運転だったはずです」(同)
「コロナにかかり体調が悪い人に“人がいないから出てくれ”」
子会社の現役セールスドライバーに聞いても、
「ウチも慢性的な人手不足です。直近では、ドライバーで新型コロナにかかった2名と、靭帯損傷1名が強制出勤させられています」
と、こう語る。
「靭帯損傷の人は1カ月は休まないといけないのに2週間程度で無理やり出勤させられていました。コロナの人は4~5日休んで、まだ体調が悪いのに“人がいないから出てくれ”と言われて出てきていました。普段は“無理するな”とか“安全第一”と言うのに、いざ何か起こると“みんな無理して出てきているんだから出てこい”と命じてくるのです」
完全版記事「『父が危篤なのに勤務させられ死に目に会えず…』『10代の女性アルバイトに次亜塩素酸がかかり大やけど』 山崎製パンの“絶望工場”の実態を現役社員、元社員が告発」と5月16日発売の「週刊新潮」では、ドライバーのみならず元アルバイトや元社員からの告発に基づき、10代の工場アルバイトに危険作業を任せた結果、次亜塩素酸が体にかかった事故などと併せ、山崎製パンのブラック過ぎる労働環境の実態について詳報する。