サッカー日本代表、4年後は五輪予選を突破できない? 今大会で苦戦した二つの理由

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 パリ五輪代表選考を兼ねたU-23アジアカップがカタールで開催され、日本は4大会ぶりに優勝を果たし、パリ切符も手に入れた。五輪出場は8大会連続で、パリ出場国中最長である。

 スポーツ紙記者は、

「W杯はアジアで8.5枠に対して、五輪は3.5枠しかなく、確率上はW杯より難しい。快挙であることは確かなのですが……」

 と持ち上げつつも、

「負けたらおしまいの準々決勝カタール戦は、際どいファウルをした敵GKが一発退場となったおかげで序盤から数的優位に戦えたにもかかわらず、延長戦での辛勝。決勝も主力が離脱したウズベキスタンに苦戦、と盤石には程遠い“薄氷V”です」

 と顔をしかめる。

厳しい戦いとなった二つの理由

 厳しい戦いを強いられたのにはワケがある。

「まず、アジア全体のレベルが上がった。Jリーグにも東南アジア出身選手が増えましたよね。経済成長著しい彼らは、子供をサッカー留学させるなど“投資”に余念がない。また、インドネシアは帰化選手たちの活躍で4位に躍進しました」

 むろんわが国のレベルも向上していて、近年、海外でプレーする若手が劇的に増えた。だが、実はそれがかえって足かせとなっている。

「U-23の大会は所属クラブから強制的に招集できないため、久保建英らトップクラスの選手抜きで戦わなければいけないのです。東京五輪は予選免除でしたが、仮にあったとしても久保がいない程度で済んだはず。でも、今回はレギュラー格を5~6人欠いていました」

 実際、主力3人を呼べなかった韓国は準々決勝でインドネシアに敗れ、10大会連続出場を逃した。

「この分だと4年後の五輪予選は恐らく“2軍”で戦わなければいけなくなる。しかも4年後は、今回出場を逃したサウジアラビアに要注意。34年のW杯開催地に立候補し、五輪世代を強化してきますから」

週刊新潮 2024年5月16日号掲載

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