AI審判導入の韓国プロ野球で発生した誤審騒動のてん末 日本は将来、どうする?
審判も味方につける
僅差で競っているセ・リーグで5月12日、阪神が首位奪還に成功した。しかしその前の巨人、広島との3連戦では2カード連続での負け越しとなっていた。その本拠地・甲子園球場での広島3連戦でのこと。連敗を喫した8日の試合後、岡田彰布監督(66)が吠えた。
「真ん中の4人がノーヒットか。内容が悪すぎるよな、打ち取られ方のな。そら、点入らんわ。こんなんで勝つのは無理やわ。はっきり言うて」
「真ん中の4人」とは、3番・ノイジー(29)、4番・大山悠輔(29)、5番・佐藤輝明(25)、6番・森下翔太(23)のこと。4人が計14打数ノーヒットと振るわなかった。岡田監督は「ストライクを簡単に見送りすぎ」とも指摘していた。
「前日7日の試合で、象徴的なシーンが見られました。8回、一死満塁で佐藤は2ストライク後の投球を、淡々と見送って三振しました。本人はボールと思ったようですが」(在阪記者)
球審のストライクのコールを聞いて天を仰いだ選手は佐藤だけではなかった。「ボール」だと思って見送ったら、ストライクだった――この試合ではそうした場面が続いた。球審は正確にジャッジしているはずだが、球審もバッターも「人」である。こんな指摘も聞かれた。
「打者がボールだと思って見送っても、球審によってはストライクと判断するコースがあります。投球を繰り返す中で、バッテリーがそのコースを見つけたら試合を有利に進められます。あの試合では広島捕手の坂倉将吾(25)がそのコースを判別し、ここぞという時に投げさせたのです」(球団関係者)
アウト・セーフの判定については、ビデオ判定によるリクエスト制度が定着したが、ストライク・ボールの判断は球審に任されている。岡田監督は佐藤に対し「そら、ボールばっかり振ってるバッターやからな。選球眼のええバッターやったら、球審もボール言うかもわからんで。そう意味では味方につけなあかんわ、審判を」と、バッターとバッテリーの心理戦について語っていた。
[1/3ページ]