「創価女子短大」は閉学、「創価大」も定員割れ…他の大学とは違う創価学会特有の事情とは

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“最後の砦”

 過去には、そんな“池田崇拝”が一部の原動力になっていたこともあった。

「2015年に両大学では、『安全保障関連法案に反対する創価大学・創価女子短期大学関係者有志の会』という組織が結成され、その名の通り、安保法制への反対活動を行うようになりました。かつて池田氏は『反戦平和』を唱えていましたが、当の本人が2010年以降は表舞台に現れなくなったことで、この思想ばかりが“原理主義”のような形で過激化していったように思います。自民公明で連立が組まれている中でも、大学ではこのような思想が色濃く残っていたということです。もっとも、これまでの池田氏の言動を見ていれば、仮に存命であっても、自民党にあわせて現実路線を重視している可能性も大いに考えられるのですが……」

 それが今や、大学・短大ともに人気は低迷。さらに、現会長の原田稔氏をはじめ、最高幹部の多くは創価大OBではなく、むしろ東大OBが主流になっている。こうした点からも、創価学会の在り方そのものの変化が窺えるのだ。

「池田氏が表舞台に出て来なくなって以来、そのようなカリスマ的対象がおらずとも、組織がうまく回るように体制が整えられてきたように思います。こうした中で、池田氏の“最後の砦”ともいえる大学の学会における立ち位置も、以前ほど高尚なものではなくなってきた。小学校から大学まで創価系の学校を卒業し、精力的に活動する“創価エリート”は、過去の存在になりつつあるかもしれません」

 このような現況について、創価学会本部にも見解を尋ねてみたが、回答は得られなかった。池田氏の色が薄れゆく中、組織はどこへ向かうのか――。

デイリー新潮編集部

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