裏金問題でも話題 そもそも「経団連」ってどんな組織? 意外に知らない「会長の条件」「組織の目的」「政策提言の効果」とは

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会長の条件

「いわゆる会長選挙のようなものが行われるわけではありません」

 そう話すのは、経団連の事情に通ずる経済ジャーナリスト。

「会長に明確な決め方というものはないのですが、実際は、現職会長が“ふさわしい人”を副会長の中から選び、後を託す形が多かったように思われます」

 とはいえ、守るべき“掟”は存在するようで、

「伝統的に、『非財閥系のものづくり企業』から選ばれるという不文律がありました。経団連には『自分たちが日本経済を背負っている』という意識が強く、財閥に忠誠を誓う企業の出身者は、トップにはふさわしくないという風潮があったのです。また、かつては『ものづくりこそ日本の基幹産業』という考えが根付いていたため、商社や金融業などはいわば“格下”にあたる。すると会長候補となる企業は、自然と限定されていたわけです」(同)

 この「後任選び」は毎度すんなりと進んだわけではない、と先のジャーナリストは続ける。

「その座をめぐって、熾烈(しれつ)な争いが繰り広げられたこともあります。特に激しかったのは、98年に任期を終える豊田章一郎会長(トヨタ自動車)の後任をめぐる、新日鐵・今井敬氏とNEC・関本忠弘氏の一騎打ちでしょうか。両者とも経団連会長への思いが強く、互いをおとしめる怪文書までばらまかれるなど、当時大きな話題となりました」

 結局、新日鐵からの3度目の会長選出を疑問視する声はありつつも、豊田氏は今井氏を後継に指名。片やNECでは、防衛庁の装備品納品をめぐる背任事件を受けて、関本氏が社内でも失脚に追いやられたことは、よく知られた話である。

 だが、昨今の会長の椅子がまばゆいほどに輝いているかといえば、そうでもないのだという――。

 有料版では、会長の座が住友化学の十倉雅和氏に回ってくるまでの経緯や、政界との“癒着”の歴史、そして疑惑の視線が注がれる「政治献金」のカラクリなどについて、詳報している。

デイリー新潮編集部

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