金融恐慌でパニックを起こした預金者たちを一瞬で落ち着かせた「高橋是清の奇策」とは?

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 昭和2年4月、鈴木商店破綻に端を発した金融恐慌が発生。蔵相に起用された高橋是清は、思い切った対応策を次々と打ち出し、この未曾有の危機を乗り切ったことで知られる。

 金融史に造詣が深い板谷敏彦さんの新刊『国家の命運は金融にあり 高橋是清の生涯(下)』(新潮社)には、その詳細が詳しく描かれている。同書から一部を再編集してお届けしよう。

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「だるまさん」こと是清は、国民大衆に人気があった。丸い風貌は親しみやすく、歯に衣(きぬ)着せぬ言動は嘘がなく、政治屋特有の利権の臭いがしない。...

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