「青葉城恋唄」は10分で完成、断りたかった「仙八先生」に出演…さとう宗幸(75)が明かすデビュー45周年“秘話”

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アカデミー賞帰国直後のモッくんが…

「学生の1年と同じ1年間の付き合いで、仕事ではあるけれど、先生と生徒という関係性が生まれ、それは今もなお続いていますね」

『仙八』では、「シブがき隊」として歌手デビューする前の薬丸裕英、布川敏和、本木雅弘や、三田寛子らが役者デビューした。

「僕が仙台にいるので、何かあれば写真を送ってくれたり、声を掛けてくれたり」という交流が続く中、2009年に還暦を迎えたさとうを祝おうと、かつての生徒役らが計画。「先生、東京へ来てください」と、2月に実現した。

 ところが、生徒の一人、本木が還暦祝いの2日前に、08年秋に公開された主演映画『おくりびと』で第81回アカデミー賞外国語映画賞を受賞。還暦祝いの前日に急ぎ、帰国予定だった。

「おい、すばる(本木の劇中の役名は森田すばる)は来られないだろ?」

 さとうが尋ねると、幹事役の生徒は「いや、すばるは当日必ず来ますから」。

「とんでもなく大変だろうし、無理をしないよう言ってくれ」というさとうに、「いや、言い出しっぺはすばるなんです。俺が司会するって言ってたぐらいですから」。

 前日に東京入りしたさとうは、テレビで深夜まで取材を受ける本木の姿を見て、本当に来られるのかと心配していたが、本木はきっちりとお祝いの1時間前に現れた。2時間の会の司会を務めた後、「先生、ごめんなさい、この後、取材が入ってるんで」と再び、取材の渦に巻き込まれていったという。薬丸や布川らが先導して、残る全員が2次会に向かった。

 振り返れば、ドラマ収録時から仲の良い雰囲気は漂っていた。

 長いセリフも多かった中で、「あるとき、10行程度のセリフにどうしても引っかかって。10回はNGを出したかなぁ」というさとうに薬丸や布川が「先生、頼むよ~」「大丈夫だから、先生頑張って」と劇中の反抗的な態度とは裏腹に、現場を盛り上げてくれたという。「こっちは励ましてくれるうれしさと、OKを出せないくやしさとで半々で」と、さとう自身にとっても大切な思い出となっている。

 ドラマ設定上は2年生だったが、実際には受験を控えた中3だった生徒も約半数おり、正月に地元・仙台に帰った際に、榴岡天満宮からもらってきたお守りを渡し、生徒を喜ばせた。

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