「視察先の道の凹凸などにも注意を払う」 “生真面目すぎる”上川陽子外相の「トリセツ」とは
生真面目さがにじみ出た“トリセツ”
そんな上川氏だが、外遊に際して外務省の職員らが共有する「注意事項」があるという。いわば、彼女の“トリセツ”である。
「上川外相は外遊先の服装についてかなり気にします。中東圏なら、女性の頭や体を覆うヒジャブを身に着ける必要の有無の確認は当たり前。さらに現地の文化を詳細に調べ上げて、NGの色がないかなどの報告を在外公館から上げさせます。さらに気温や天候、果ては視察先の道の凹凸などにも注意を払い、服装や靴の種類を決めます」
とは官邸関係者。さらに、
「外遊先ではどんなに日程がタイトでも、必ず本屋に寄ります。そのために、外遊先に選ばれた在外公館は本屋のリサーチが必須になる。彼女はその国で人気の本は何か、また日本に関連した書籍はどんなものがあるのか、自分の目で視察したがるようです」
ライバルの茂木敏充幹事長にも「霞が関マニュアル」があったが、〈外遊先には栄養ドリンクを持参する〉〈喫煙可能場所リストを作成する〉といった仕事に無関係なものばかりだった。それに比べれば、上川氏の“トリセツ”には彼女の生真面目さがにじみ出ている。
「話が終わる頃には要約がペラ1枚に」
彼女と親交を持つプラン・インターナショナル・ジャパンの池上清子理事長も以下のように評する。
「彼女は大変なメモ魔で、そのことにはいつも感心してしまいます。打ち合わせをしても、彼女は喋りながらPCに内容を打ち込んで、話が終わる頃には要約がペラ1枚にまとまっています。まねしてみたいですよね」
ただし、一方ではこんな声も。
「上川外相自らプレスリリースに手を入れるので、やたらと文面が長くなる傾向にあるといいます。下の者に任せるべき仕事を任せることは、トップに立つ人間の必須条件では」(前出・官邸関係者)
前編では、東大卒業後に三菱総合研究所に入所、さらに奨学金を得てハーバード大に留学したという、上川氏が歩んだ「エリート街道」について報じている。
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