上川陽子外相がなぜ「次の首相にふさわしい人」に? 背景に政治家を目指していた夫の存在が 「私よりもチャンスがある」と応援
「次の首相にふさわしい人」の3位に
自民党は東京15区と長崎3区の衆議院議員補欠選挙(4月28日投開票)で不戦敗を選択。島根1区でも敗れ、岸田降ろしの号砲が鳴るのは確実だが、ポスト岸田として今、急浮上しているのが上川陽子外務大臣(71)だ。そんな彼女の来歴と、外遊に際して外務省の職員らが共有する「注意事項」とは――。【前後編の前編】
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世論調査である異変が起きている。これまで「次の首相にふさわしい人」については「小石河連合」が上位を独占。石破茂元幹事長を筆頭に小泉進次郎元環境相、河野太郎デジタル相が名を連ねてきた。しかしその河野氏に代わり、上川外相が3位にランク入りするようになったのだ。
世論と同様に、「自民党の最後の派閥領袖」の胸中にも変化があるという。
政治部デスクが言う。
「麻生太郎副総裁の意中の人物は茂木敏充幹事長とみられてきました。ですが昨年9月の内閣改造に際して、麻生氏が上川氏を外相に推挙したあたりから事情が変わってきたのです」
実際、麻生氏は今年1月、福岡県内の講演で、
「このおばさんやるねえと思った。そんなに美しい方とは言わんけれども」
などと話して批判を招いたが、
「あれは上川氏に対する麻生流のエールです。党内からは、上川氏なら初の女性総理候補として選挙の顔になるという声が上がっています」(政治部デスク)
「明るい子で、勉強は飛び抜けてできたわけじゃない」
かたや茂木氏は4月17日に派閥解散を決めており、求心力が低下している。上川氏は現時点で、間違いなく有力な総裁候補の一人といえよう。しかし、その来歴については安倍政権と菅政権で法務大臣を務めたことのほか、一般にほとんど知られてはいない。
上川氏は1953年、静岡県静岡市で竹田家の長女として生まれた。2歳上に兄がいる。父親は日本電信電話公社(現NTT)の職員で、母親も電話交換手の仕事に従事していたという。
静岡市立横内小学校の同級生が語る。
「明るい子で、ケラケラ笑っていた印象があります。勉強は飛び抜けてできたわけじゃない。でも40歳の頃、上川さんと同窓会で会った際に“英語を話す時には日本語ではなくて、英語で考えて話すことができる”と言っていたから、中学校に入ってから勉強を頑張ったのだろうね」
進学先は私立静岡雙葉中学校。カソリックの中高一貫の女子校で「キリスト教の教えに基づき、高く、深い知性と精神性を備え、自立した女性」の育成を教育方針に掲げる。
上川氏自身は学生時代について、静岡県内発行の家庭教育雑誌の取材に以下のように答えている。
〈勉強は、あんまりうるさく言われなかったですね。ちょっと勉強するとものもらいができたり、7時ぐらいになると眠くなってしまう子だったものだから(笑)。やるときはすごく集中してやるということはあったけど〉(「ふぁみりす」1994年7月号)
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