中村剛也(40)「500本塁打未達」でも名球会入りに障害なし 上原、藤川に遜色ない“特例入会”の資格とは

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2000安打より500本塁打に現実味

 その一方、2000安打までは210本も残っており、可能性はあるとはいえ、生涯打率が2割5分そこそこの中村には本塁打より難度が高そうだ。

「ホームランか三振かという打撃スタイルは変わることはないでしょう。近年は年齢的なもので、けがによる故障離脱が多く、今季以降もフルシーズンでの出場は望めないので、引退時にどちらの達成が現実的かと聞かれれば、2000安打ではなく500本塁打だと答えますね」(同)

 2000安打の達成者は過去55人だ。本塁打数のランキングでは、既に中村の上には9人しかいない。希少性の優劣は明らかで、しかも「野球の華」とされる特別な打撃部門の記録だけに、特例での名球会入りに異論は少ないだろう。

 これまで特例入会が認められたのは、ともに日米通算で「100勝、100ホールド、100セーブ」の上原浩治(元巨人など)と「245セーブ、164ホールド」の藤川球児(元阪神など)の元両投手のみだ。22年末の理事会で会員の4分の3の賛成を得て承認に至っている。

 この時の理事会では山本浩二氏から古田敦也氏に理事長が交代し、執行部は大幅に若返った。その新執行部の目玉が上原と藤川の特例適用だった。

投手への“特例適用”は積極的だが

「名球会の会員は打者に偏っており、投手の会員を増やしたい事情がありました。上原と藤川は現役時代に巨人、阪神という人気球団に所属し、知名度が抜群です。引退後の活動は解説者にとどまらず、SNSで積極的に発言するなどファンへの発信力は高いものがあります。ステータスに陰りが見える名球会の存在感を高めるためには最適な人材で、他にも特例適用に値する記録を持っている元選手はいましたが、“大人の事情”が絡んで選出を果たしたと言えます」(遊軍記者)

 名球会の入会条件は2000安打のほかは200勝と250セーブだ。メジャーを含めた日米合算でも条件は満たせる。現在は打者48人に対し、投手は17人で、依然「打高投低」の傾向にある。

 現役ではダルビッシュ有投手(パドレス)が200勝にあと1勝と王手をかけ、田中将大投手(楽天)があと3勝に迫っているものの、「特に200勝の難度は2000安打より高いとされています。今後も打者が続々と名球会入りするでしょうが、投手は分業制が確立された上、登板間隔は中6日が基本となり、登板数自体が一昔前より少なくなっただけに、200勝は難しくなっています。今後も投手には積極的に検討されていくであろう特例適用ですが、打者である中村に対しては微妙なところはあったでしょう」(前出の元監督)

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