「平均で33万円課金」あなたの子どもは大丈夫? ゲーム依存の前兆と防ぎ方とは

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依存リスクが高い「ガチャ」

 久里浜医療センターではゲームに限らず、ネット依存全般の治療を行っています。ただ、SNSや動画サイトといったゲーム以外でのネット依存は案外少なく、9割以上がゲームへの依存です。さらに当院を受診するゲーム依存患者の大半を占めるのがオンラインのゲーム依存で、テレビゲームなどオフラインのゲームに依存している方は100人に1人いるかいないかくらい。オンラインとオフラインでここまで差が出るのは、それだけオンラインゲームが依存しやすい作りになっているからです。

 国内のオンラインゲーム人口は数千万人といわれますが、全体のパイを考えれば、これからもユーザー数を大幅に増やしていくことはもう難しい。そうなるとメーカーが売り上げを伸ばすためには、ユーザー一人一人に「ヘビーユーザー」になってもらうしかありません。結果として、ユーザーをゲームの世界に引き留めるさまざまな仕掛けが、より巧妙化していくのです。中でも私が特に依存リスクが高いと感じるのが「ガチャ」と呼ばれる課金システムです。

気が付けば何十万円に

 ガチャはもともと、レバーを「ガチャガチャ」と回してカプセルに入った玩具を手に入れる抽選式の販売機の名前でした。皆さんも街中で小さな販売機がたくさん並んでいるのを目にしたことがあると思います。この仕組みをオンラインゲームに導入したのが「ガチャ」というわけです。

 ユーザーは一定の額を課金することで、ガチャガチャを回すように、中身がランダムに決まるアイテムを手に入れることができます。アイテムにはゲームの攻略をたやすくしたり、優位に進めることができたりする効果があるのですが、このとき多くのユーザーは「いったい何が出るのだろう」という高揚感を得ているのです。ガチャの中には、なかなかお目にかかれないレアアイテムが含まれていることも多く、人によってはお目当てのアイテムが出るまで延々とガチャを回すことになってしまいます。

 このような仕組みでは、「ゲームに勝った/負けた」という本来の楽しみ方以外に「ガチャで当たった/ハズれた」というギャンブルのようなワクワク感が入り込みます。ガチャの1回当たりの課金額はせいぜい数百円ですが、それが心理的ハードルを下げ、気付けば何十万円という額を課金してしまうのです。

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