「平均で33万円課金」あなたの子どもは大丈夫? ゲーム依存の前兆と防ぎ方とは
発症年齢の低下に拍車が
もともとゲーム依存は思春期の子どもたちの割合が一番多く、年齢が上がるにつれてその数はだんだん減っていきます。思春期の世代はゲーム人口自体が多いですから、このような傾向は当然といえば当然です。ただ、近年特にゲーム依存を発症する年齢の低下に拍車がかかっているのです。
久里浜医療センターでは11年にネット依存の専門医療を開始しました。そして、新規外来患者のうち12歳以下の子どもはここ数年で毎年のように増加しています。16年時点では12歳以下の患者は一人もいませんでしたが、22年時点では全体の18%を占めるまでになっている。つまり「5人に1人は小学生以下」という状況になっているのです。
常軌を逸した反応
小学生以下の子どもたちの相談で多いのが、ネット通信を切断したりスマホを取り上げたりしたときに大暴れして抵抗するというもの。このような相談は高校生など思春期の子を持つ親御さんからも聞かれますが、高校生くらいになると理性的な部分もありますから、よほど特殊なケースを除けば極端な暴力や破壊行動には走りにくい。ところが小さな子どもは、理性による制限がかかりづらい分、ゲーム環境を奪われたときの反抗が激しくなるのです。
「小学生の反抗なんてたかが知れているだろう」と思われるかもしれませんが、ゲーム依存に陥っている子どもたちの反応は常軌を逸しています。大声を出したり暴言を吐いたりに加え、家の中の物をめちゃくちゃに破壊したり親に手を上げたりして、警察が呼ばれるケースも珍しくありません。そうして「手に負えなくなってしまった」と、親御さんが病院に連れてくるのです。
「うちの子にはスマホを持たせていないから大丈夫」と安心している方もいるかもしれませんが、オンラインゲームができるのはスマホだけではありません。今や、各家庭にあるようなポピュラーなゲーム機にもオンライン通信の機能がついていて、そういったゲーム機でゲーム依存に陥るお子さんも多くおられます。
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