「平均で33万円課金」あなたの子どもは大丈夫? ゲーム依存の前兆と防ぎ方とは

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WHOが病気と認定

 19年、世界保健機関(WHO)は、疾病や死因の分類の国際統一基準である「国際疾病分類」を約30年ぶりに改訂しました。国際疾病分類は国内の病院でも診断の際などに用いられる、いわば「病気の公式カタログ」。そして、22年に正式に発効したこの新分類で大きな注目となったのが、新たに追加された「ゲーム行動症」という病気でした。

 それまで国際的に診断基準が確立されていなかったゲーム依存について、WHOが正式にゲーム行動症という病気だと認定したのです。ここでは便宜的に「ゲーム依存」という言葉を使いますが、WHOも認定した病気だということはよく理解しておいていただきたいと思います。

 実際の医療現場では、この国際疾病分類の診断基準に従ってゲーム依存の診断が下されることになりますが、当然のことながら、ゲームを長時間プレイしているという「過剰使用」だけで依存症と診断されるわけではありません。では、ゲームの過剰使用と病的な依存とでは、どこがどう違うのか。私がよく患者さんたちに説明するのは、過剰使用の結果として学業や仕事、家庭生活などに明確に問題が認められれば、ゲーム依存が疑われるということです。

ムキになって反論する場合…

 例えば、高額課金の話などまさに典型ですし、学校に登校できなくなるとか、会社を欠勤しがちになるとか、家族関係が破綻してしまうとか。「長時間プレイ」の結果として別の問題が顕在化している場合、ゲーム依存の可能性は非常に高いといえます。

 また、一般的に依存症は「否認の病」と言われます。周囲の人から「ゲームに気を取られ過ぎだ」などと指摘されたときに「昨日ちょっとやり過ぎただけ」「大事な話をするときにはやっていないから問題ない」などとムキになって反論するようなら、依存の世界のドアに手をかけたサインかもしれません。明らかに度を越した状況にありながら、それを指摘されたときに強く否定したり怒りだしたりする。このような反応は依存症の患者さんにはよく見られます。

 ゲーム依存は、本人が「やり過ぎ」を感じた入り口から、この「やり過ぎを否認し始めるまで」のスピードが非常に速いのが特徴です。つまり過剰使用の状態から、あっという間に依存症に陥ってしまう。そしてこの特徴は、子どもの場合、さらに顕著に現れます。

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