「酸っぱいものでむせる」「料理のにおいが分からない」は何の病気のサイン? 自分でできる「健康診断法」をプロが伝授

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「あまり尿が出ない」は膀胱トラブル

 便の状態は日常的に確認しておきましょう。小便は小さな便り、大便は大きな便り。体からの大切なお手紙です。

 まず「頻尿だけど、あまり尿が出ない」は、膀胱トラブルのサイン。多いのは膀胱炎ですが、同じような症状で膀胱がんの可能性もあります。膀胱に腫瘍ができてスペースが狭くなり、尿がためられなくなるのです。頻尿が気になる方は、尿が出ている秒数をカウントすれば尿の量を把握できます。尿は10秒間にだいたい100~200cc出るといわれ、成人の一度の排尿量はおよそ200~400ccですから、一度に10秒以上、尿が出る場合は問題ないでしょう。それが2~3秒で止まり、それを昼間に何度も繰り返すようなら膀胱がんを疑います。

 一方、「頻尿でチョロチョロ時間がかかる」場合には、男性特有の病気である前立腺トラブルの可能性があります。男性は50歳を過ぎれば前立腺の肥大化に伴って誰でも尿の切れが悪くなるもの。前立腺肥大症は良性疾患ですからそこまで心配する必要はありませんが、よく似た初期症状を呈する前立腺がんの可能性もありますから、注意が必要です。

 また、尿は色も重要です。「ファンタオレンジのようにはっきりしたオレンジ色」「紅茶のような色」の尿は、肝臓の不調を知らせる黄疸の可能性が大です。

 それから「尿が泡立っている」方は、腎臓の不調もしくは糖尿病を疑います。腎臓の機能低下のサインである「たんぱく尿」か、尿の中にたくさん混じった糖で泡立っている可能性があるからです。ただし、オシッコの勢いや便器との角度によっても泡立ちは起こりますから、10秒くらいでプチプチと消えていく泡なら問題ありません。もし15秒たっても最初と変わらないくらい泡が残っていたら、ドラッグストアなどで売っている尿検査テープを使って尿中のたんぱくや糖の量を測ってみましょう。

大便の色で分かる不調の部位

 続いては大便です。

「お酒を飲んだ翌日、きまって下痢になる」ときは、膵臓の不調を疑います。さらに「下痢をしたとき、便器の水面に薄く油が浮いている」なら、間違いなく膵臓に問題があります。膵臓といえば血糖値を下げる「インスリン」を分泌する臓器として知られますが、油の分解を助けるのも大きな役割の一つ。膵臓の機能が低下して油を分解できないため、油ものが消化できずに下痢になるのです。こうした下痢は2日くらいお酒を飲まず、油ものを控えればてきめんに治ります。膵臓の疲れは慢性膵炎やアルコール性の急性膵炎にかかるリスクを高めます。慢性膵炎は糖尿病や膵臓がんの原因にもなりますし、急性膵炎もひどい場合は死に至る怖い病気です。

 また「直径1センチくらいの細い便が続く」なら、大腸がんが疑われます。さらに、便に真っ赤な鮮血が混じることもあります。一方、「泥状の真っ黒な軟便」だと胃がんの可能性があります。

 このように大便の色で、不調の部位が大体分かることもあります。すなわち、便が「黒い」なら胃がんや胃潰瘍、「赤い」なら大腸がんや大腸ポリープ、「白い」なら胆管がんや膵頭部がん、といったふうにです。

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