大谷結婚で注目「女子アナ」はなぜ嫌われるのか 元TBS人気アナが明かす葛藤「ただの会社員なんです」

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制作サイドから要求も

 出演していた「はなまるマーケット」では、海保さんが外国人俳優や監督にインタビューすることもあった。

「制作サイドからは、専門的な話よりももう少し柔らかい話を聞いてくれという要望がきたこともあります。そのほうが視聴者の興味を引くからです。映画の内容や映画論を聞いて放送しても、響かないことも多い。それよりも、食べ物のことや日本についての印象とか、柔らかい質問に答えてもらったほうが、興味を持たれるんです。そうした場面が切り抜かれて、軽いイメージに繋がっているのかもしれません」

 女子アナウンサーがタレントのように扱われるようになったのは、1980~90年代くらいから。海保さんが活躍した2000年代は、“女子アナブーム”のピークともいっていい。

「この何十年かの間で、アナウンサーをタレント化してしまったという側面はあると思います。『私たち、ただの会社員なんです』という思いと、『テレビに出ている者として、制作サイドが求めるものを作らなきゃ』という思いで葛藤してきました。そうした部分は今も変わっていないと思います」

 TBS在籍時、児童用英語教材のDVDを作る仕事があり、キャンディという英語のお姉さんを務めたことがあった。当初の衣装はポロシャツだったが、撮影当日に渡されたのが、両肩が出たノースリーブで背中部分がパックリ開いた衣装だった。

「露出が多かったので、私が戸惑っていたら、スタッフがみんな で相談を始めたんです。教材の冒頭ではダンスシーンがあって、振付師の方や子役の子どもたちも来て練習していました。着るのが恥ずかしいと断れる状況ではなかった。でも、出来上がったVTRを見たら健康的でいやらしくなく、その世界観には合っていたので、結果的に良かったです」

 テレビの現場は、作り手と伝え手が試行錯誤しながら、どうしたら視聴者の目に留まるのか、切磋琢磨しているのは間違いなさそうだ。

デイリー新潮編集部

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