元TBS・海保知里アナ 「はなまる」岡江久美子さんからの教え “体当たり”で挑んだサンジャポ秘話

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「人間ディスポーザーだね」

 岡江さんは2020年、コロナでこの世を去った。亡くなる直前まで、LINEでおススメの映画について、やりとりしていただけにショックは大きかったという。思い出に残っている言葉がある。

「私、すごい食欲あって、本当によく食べるんです。それで、岡江さんから『海保ちゃんって、人間ディスポーザーだね』って言われたのが、一生忘れられません(笑)。着想が独創的で周りを明るくさせてくれる岡江さんが大好きでした。そんなことを発想すること自体が本当にすごいなと思うんです」

 TBS時代、もう一つ思い出深かった番組は「サンデージャポン」だ。2代目アシスタントとして、2002年から約3年間、出演。サブ(サブコントロールルーム)からの指示で、カットイン、V振りなどの司会進行を行った。

「場を変える役割をするのは初めてでしたので、経験としては大きかったです。司会の爆笑問題さんはすごく距離が近くて、フレンドリーでなんでも相談したくなるようなお2人でした」

 忘れられない出来事がある。

 元大阪市長の橋下徹氏が番組を降板した時のことだ。生放送中、橋下氏が突然、「辞めます」と言って、いきなり立ち上がっていなくなってしまった。その場に居合わせた海保さんは、呆然と立ち尽くすしかなかったという。

「耳にインカムを入れているのですが、通常であればタイムキーパーさんやディレクターの声が聞こえてくるのが、その瞬間、サブに沈黙が走ったんです。『これ隠し台本かな』と疑いましたが、すぐにサブから鉄骨階段を走ってスタジオに降りてくる プロデューサーの姿靴音と声が聞こえました。これは本当なんだと生放送ならではのすごさを感じた瞬間でした」

サンジャポでは“体当たり”

 映画「スパイダーマン」の公開に合わせて、海外のロケに行った時には、ジェットコースターにも乗った。その時の映像は、その後、何度も使われてしまう。スタッフから『とにかく声を出してほしい。リアクションがなかったらダメだ』と言われて……。『ウワー』と叫んだら、よだれが出ちゃったんです」。

 まさに、“体当たり”で挑んだ番組だった。

「ちょっと突き抜けた面白いものを作らなければいけないという意識がありましたね。すごく刺激的でしたし、みな本当に命懸けで戦っている感じでした。一気に人から声をかけられるようになったのもサンジャポに出演してからです」

 当時は、女子アナブームの真っただ中。テレビもイケイケの時代だった。現在のアナウンサーを取り巻く環境を、どう見ているのか。第4回に続く。

デイリー新潮編集部

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