音響問題で炎上のAdoはなぜここまでたたかれる? 「顔出し」という最強カードを切るタイミングはいつになるのか
4月27日、28日に国立競技場で開催されたライブ「Ado SPECIAL LIVE 2024 『心臓』」の音響に批判が殺到しているAdo。彼女はなぜたびたびネットニュースやSNSで批判の対象となってしまうのか――。ライターの冨士海ネコ氏が分析した。
***
速報羽生結弦との「105日離婚」から1年 元妻・末延麻裕子さんが胸中を告白 「大きな心を持って進んでいきたい」
国立競技場でのライブ音響でケチがついたAdoさん。「歌い手」として顔を出さずに「うっせぇわ」でメジャーデビューし、瞬く間に人気を博した。数々のタイアップや有名アーティストたちからの楽曲提供も多く、昨年は紅白にも出場。2月から初の海外ライブツアーも始まり大盛況だという。
若き才能の誕生には毀誉褒貶(きよほうへん)がつきものだが、それにしてもAdoさんに対する反発は度々ネットニュースを騒がせる。今回の国立競技場における音響問題を報じたYahoo!ニュースについたコメント数は、多いもので2000を超えていた。
なぜ彼女がここまでたたかれるのか。それは「顔を見せない」というスタイルに対する不信感に根差しているところが大きいように見える。歌がうまいことは認めるが、本当に本人が歌っているかは分からない。楽曲の構造上、さまざまな加工が施されている部分もあるだろう。そういったさまざまな「疑惑」と、「うっせぇわ」の挑発的な歌詞や、がなるような歌唱が上塗りした印象から「世間知らずの甘えた若者」像の代表にされてしまっているのではないだろうか。
Xを見る限り、来場者の声でそこまでAdoさん個人を責めるようなコメントは目立たない。音響には不満が残るものの、ライブそのものに参加できたことの喜びや、凝った演出とAdoさんの生歌唱に満足したという声の方が多い。けれどもネットニュース欄は真逆で、悪者探しが始まっている。本来ライブに向かない会場で金儲けに走った主催者、技量のない音響スタッフ、いやいや顔出しもしない歌手をありがたがるファンだって未熟……などに加えて、Adoさん本人に責任を問うような意見も少なくない。「お詫びなしの“幕引き”」と、アンチをあおるようなタイトルの記事に仕立てた報道もあった。
最近の若者は打たれ弱い、かかってきた電話を取らない、仕事を選り好みしてすぐ辞める。「扱いづらいZ世代」という話題は、日々SNSやネットを騒がせるが、Adoさんに対してもそういうイメージを持たせたいかのようだ。
国内外の大舞台に出るものの、素顔は明かさず、トラブルが起きたら開き直るだけじゃないか、といった一部の人が作り上げた「権利だけ主張して責任を果たさない甘えた若者」像に誘導されて、拳を振り上げる人たちの姿は少なくないように見受けられる。
次ページ:小室哲哉も驚いた「見えなくても盛り上がる」ライブの意義 Adoのライブは「記憶よりも記録」型?
[1/2ページ]