「軍師官兵衛」子役は遺体損壊、「子連れ狼」大五郎役は殺人犯に…名子役から転落した人のそれぞれの事情

国内 社会

  • ブックマーク

成功している子役もいる

 04年に公開された是枝裕和監督(61)の「誰も知らない」のオーディションで主役に抜てきされたのが柳楽優弥(34)である。同作は「第57回カンヌ国際映画祭」のコンペティション部門に出品され、柳楽は当時14歳で史上最年少かつ日本人で初めて俳優賞を受賞。一躍、時の人となった。

 そのまま順調に成長するかと思いきや、08年に入ってからは体調を崩して仕事量を減らし同年8月末、自宅にて安定剤を大量に服用し病院に運ばれる騒動を起こすことになった。後日、《家族との口論が原因で自殺未遂ではない》と自身のホームページで発表したが、

「当時、仕事のプレッシャーから心身共にバランスを崩してしまったと言われていました。本人を責めるわけにはいきませんが、有能なマネージャーやスタッフが周りにいれば一緒に乗り越えられたはずです。柳楽さんは20歳の頃、俳優の仕事から離れ、社会勉強のために約1年間、自動車販売店で洗車と、飲食店でのホールスタッフのアルバイトをしています。この経験から色々と学ぶものがあったようで、すっかり復調しています。数々の映像作品に出演し、今や名優の雰囲気があります」(放送担当記者)

 94年にTBS系で放送された学園ドラマ「人間・失格~たとえばぼくが死んだら~」でいじめの主犯格の生徒役を演じて一躍脚光を浴びたのが黒田勇樹(42)。かつては“美少年”としてもてはやされた黒田だが今月8日、自身のインスタグラムを更新。金髪&あごヒゲ姿から坊主頭にイメチェンした写真を公開した。ブレイク当時の頃とはまるで別人のビジュアルでネット上で大きな反響を呼んだ。

 黒田は98年公開の映画「学校III」の好演で「キネマ旬報賞新人俳優賞」、「日本映画批評家大賞新人賞」などを受賞したが、徐々に仕事が減り、10年に俳優業を引退している。その後、「ハイパーメディアフリーター」としてメールマガジン配信やネット配信番組などネットビジネスを展開。12年8月に結婚した歌手の元妻が、DV被害を訴えるなどの騒動もあったが、やがて俳優業に復帰した。21年11月1日放送のABEMA「ABEMA Prime」に出演した際には、自戒の念もあってか、子役が転落する理由を語っている。子役が売れやすい理由については、

「20歳までは学園ものがあるんですよ。子役として注目されていれば、特に訓練をしていなくても学園ものの仕事がどんどんくるんです」

 たとえ「天才子役」ともてはやされても、いずれ注目度が下がることになるだけでなく、ライバルが現れることにもなる。

「(役者を)しっかり勉強した新人たちが入ってくる。目新しいライダー俳優、特撮俳優たちが次々と出てきて、一気にふるいにかけられる。そこまでにいかに訓練できていたか、その後も訓練は必要なんだって思うかどうかと思う」

「子役と大人の役者では、求められる演技の質や技術がまったく違うので、子役で名を成していても、それに対応できない役者は残れません。内山さんのように周囲の関係者への言動も、その後も芸能界で生き残れるかに直結します。犯罪者になってしまった若山容疑者は言語道断ですが、現役の子役たちは、長く芸能界で活動したいのであれば、先輩たちの“しくじり”を反面教師にすべきでしょう」(映画業界関係者)

 最後に、今も第一線で活躍している成功例を挙げてもらった。

「どちらもまだ19歳ですが、2011年放送のドラマ『マルモのおきて』(フジ)で一躍スターになった芦田愛菜と鈴木福はこのまま活躍するでしょう。そして、CMで『子供店長』としてブレイクした加藤清史郎は現在、22歳になりました。2010年の大河ドラマ『龍馬伝』で、福山雅治が演じた坂本龍馬の子供時代を演じた濱田龍臣(23)も順調に成長しています。今春の木村拓哉主演のドラマ『Believe-君にかける橋-』で、木村演じる主人公と同じ刑務所の受刑者役を好演しています。加藤も濱田も、主役にこだわらず、地道に仕事をこなしているので、息の長い俳優になりそうですね」(前出・記者)

デイリー新潮編集部

前へ 1 2 次へ

[2/2ページ]

メールアドレス

利用規約を必ず確認の上、登録ボタンを押してください。