阿部監督の秋広優人“1軍昇格コメント”に「そりゃないだろう」と思うワケ【柴田勲のコラム】

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もう一つ気になる発言

 最近では6日の試合後、大量6選手の入れ替えを行った。横川凱、中山礼都、そして梶谷隆幸の3選手が1軍を離れた。

 梶谷は左ヒザ痛再発だったようだが、横川は6日に今季初黒星、中山もまた坂本の代役で三塁に入ったが結果を出せなかった。

 投手がちょっとでも打たれる、野手が思うように働けない。するとすぐに落とす。これを繰り返している。よく分からない。

 開幕前には岡本和、坂本、門脇誠の三人はレギュラーの構想と話していた。要するにこの三人以外はレギュラーではない。こう言いたかったのだろう。でも、いざ始まったら吉川尚輝、丸佳浩を起用し続けている。実績があり、チームにとって外せない選手はいる。吉川、丸は最初からその外せないレギュラーだ。

「三人以外は」……言われた方はいい気持ちがしないだろう。これまた、こんなコメントが分からない。

一丸となって阪神追撃を

 大勢が3日の阪神戦後、右肩の違和感を訴えて出場選手登録を抹消された。大きな異常は見られないとのことだが、力任せで打者を抑えようとしている。あれでは肘や肩に負担がかかる。大勢、もっと肩の力を抜いて8分くらいの力で投げた方がいい球を投げることができる。あの球速と球威だ。コーナーワークでいけるはずだ。

 9連戦プラス6連戦をなんとか8勝7敗で乗り切ることができた。

 10日からは神宮でヤクルト3連戦、1日置いて14日からDeNA2連戦、そしてまた1日空いて17日からマツダで広島3連戦、少しは日程が楽になる。

 とはいえ、巨人は投手陣の踏ん張りでいまの位置にいるが、そうそう続かない。10日後には最下位にいた。こんなことも考えられる。

 打線は岡本和待ちだが、一丸となって阪神を追撃してもらいたい。最後にだが、阿部監督はもう少し言い方を考えてほしい。「言葉は力なり」である。(成績などは9日現在)

柴田 勲(しばた・いさお)
1944年2月8日生まれ。神奈川県・横浜市出身。法政二高時代はエースで5番。60年夏、61年センバツで甲子園連覇を達成し、62年に巨人に投手で入団。外野手転向後は甘いマスクと赤い手袋をトレードマークに俊足堅守の日本人初スイッチヒッターとして巨人のV9を支えた。主に1番を任され、盗塁王6回、通算579盗塁はNPB歴代3位でセ・リーグ記録。80年の巨人在籍中に2000本安打を達成した。入団当初の背番号は「12」だったが、70年から「7」に変更、王貞治の「1」、長嶋茂雄の「3」とともに野球ファン憧れの番号となった。現在、日本プロ野球名球会理事を務める。

デイリー新潮編集部

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