新生「ビッグモーター」始動でもくすぶる“不穏分子” 「マージンはどうなる?」「“進駐軍”乗っ取り」…伊藤忠への不満の声が上がる背景とは

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1台売って「18万円のマージン」

 関係者が続ける。

「いま“内心、一番不安を感じているのは営業マン”だと囁かれています。ビッグモーター時代は利益が何より優先され、『稼いだ人間が偉い』という企業風土だったため、彼らは“勝ち組”の象徴のような存在だった。しかし、その『儲け至上主義』が保険金の不正請求を始めとした数々の不祥事の背景にあると指摘され、新会社はビッグモーター時代の『人事評価体系を見直す』と表明している。それを受け、一部の営業マンは“マージンはどうなるのか?”と非常に神経質になっている」(同)

 ビッグモーターでは基本給が低く抑えられた一方で、営業職なら“車を売れば売るだけマージン(歩合)が増える”仕組みで、ヤリ手の営業マンなら年収1000万円を超えるケースも珍しくなかったとされる。

「実際、私の同僚のなかには190万円で買い取ったアルファードを320万円で売って、18万円のマージンをもらった例があります。さすがに販売価格の5~6%も貰えるベラボウなマージンが新会社で保証されるはずもなく、“マージンを減らされると、基本給の大幅アップがなければ今の生活を維持できない”といった声が上がっている。会社の看板をスゲ替えても、社員たちの意識は“甘い汁”を吸えたビッグモーター時代から簡単には抜け出せないのが実情です」(同)

「逃げ得」が許されないのは当たり前のこと。彼らが懐かしむ「過去の栄光」は、不正行為や被害者の存在を抜きには語れないことにいつ気づけるか。

デイリー新潮編集部

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