「あなたしかいない」で始まり、最後は「借りたっけ?」 40代男性から73万円をだまし取った「22歳・頂き女子」のふてぶてし過ぎる「詐欺LINE」

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あなたしかいないと縋り続ける加藤容疑者

 貸し付けの申し出を断った後も、加藤容疑者の「病み営業」は続いた。

〈でも昨日考えていてすごくAくんの事好き。私のことすごく考えてくれて助けようとしてくれた事もすごく嬉しいんだけど、私今こんな状態だし病院とかで沢山お金かかるから返せる自信がないや。あと長いお付き合いがしたいから貸し借りで関係崩したくない〉(加藤容疑者のLINEメッセージ)

〈でもきっとAくんにとって私って信用なさそうだし、きっと本当はそこまで好きじゃないよね。。好きな人ならそんな事言わないもんね。私だけ好きになって勘違いしててごめん。。〉(同)

 Aさんが解説する。

「今振り返ると、僕が貸すのではなく『援助するよ』と言うのを待っていたようですね。僕は、『結婚したら家計は一緒にしたい』とも言っていたのですが、そうした僕の年齢的な焦りを見抜いていたのだと思います」

 加藤容疑者の“大好きアピール”も結婚を意識した内容に変わっていった。

〈私にはAさんしかいないし、すぐにでも一緒になりたいよ。。でもね〉

〈Aくんが好きだしAくんしか誰もいないから〉

合間に〈点滴刺さないと死んでしまいそう、、〉などと“病弱ぶり”を見せることも忘れない。

 そして、3度目に会った22日で、加藤容疑者の方から「婚姻届を書いたら信用してくれる?」と持ちかけられ、Aさんは50万円を援助することに同意してしまったのだ。

 こんな怪し過ぎる女となぜ…。いくらなんでも結婚は早すぎやしないか。Aさんは恥ずかしそうにこう振り返る。

「50万円でこんなかわいい子と付き合えるなら、安いなって思っちゃったんです。いつでも婚姻届を出せる状態にしておけば相手も逃げられないだろうとも。結局、婚姻届は持ってこなかったのですが、学生証と借りているマンションの部屋の契約書を自宅まで持ってきてくれたので写真に撮りました。ここまでして踏み倒すことはないだろうと考えて50万円を渡しました」

楽しみにしていた「お泊まり会」もドタキャン

 だがこの後、加藤容疑者は体調を崩したことを理由に、約束した婚姻届や届出に必要な戸籍謄本を一向に持ってこようとしなかった。ただしその間も、LINEでは〈おはよ〉〈(体調が)めちゃくちゃよくなったー〉などと変わらずやり取りは続く。

 実はこれも「りりちゃんメソッド」で「最も重要」と指摘されている「アフターケア」にあたる。渡辺被告は詐欺マニュアルの中で、こまめなケアを怠らなければトラブル防止と「次の頂き」につなげられると呼びかけている。

 実際、50万円を渡してから1週間も経たない29日夜に、加藤容疑者は「やばいことになった」とAさんに電話をかけてきて、“おかわり”を要求してきたのである。

「タチの悪い友人からの借金があり、急に明日までに23万円を返すよう請求されたと慌てふためいていました。暴力を振るうような危険人物だといい、追い詰められた様子なのです。じゃあ消費者金融で借りようと一緒に2カ所回ってあげたんですが、審査が通らず、結局、僕が貸すことに…」

 この後、加藤容疑者はもう用済みと考えたのかAさんと途端に会うことを避け出した。数日後に約束していた「お泊まり会」も新たに始めたバイトを理由にドタキャン。

 実はAさんは一度の男女関係すらないまま、加藤容疑者にカネをわたしてしまっていた。

「この頃にはだまされているかもと気付き始めていましたが、コンコルド効果というのでしょうか、これまでの“投資”を無駄にしたくない、なんとか関係を維持しなければという気持ちでやり取りを続けていました。借用書を取っていなかったので、ちゃんと返済されるかという不安もあった。せめて借用書だけはちゃんと書いてもらわないと、という焦りもありました」

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