「突然『ここで脱いだらシュールで良くない』って…」「見つかってたら捕まってた」 手塚理美と川上麻衣子、二人の女優が明かす篠山紀信さん秘話

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「見つかってたら捕まってたと思う」

 川上は、34歳で再び篠山さんの被写体となった。『暑い国』の無修正復刻版の話が持ち上がる。そこで篠山さんと再会すると、新たに撮り直そうということに。

「2000年のエッフェル塔はミレニアムということで1年間キラキラしてたんですよ。そこで撮ろうと。ですから、街中での撮影もホテルもエッフェル塔が見えるところでした」

 そしてここでもゲリラ的な撮影が行われた。

「エッフェル塔が見える路上で、人のいないタイミングを見計らって、せーのっていう感じで、ギリギリのとこで。見つかってたら捕まってたと思う」

 実際、篠山さんは東京で公然わいせつ等の疑いで書類送検されたことがある。そんな篠山さんとの撮影は川上にとって特別なものだったらしく、

「やっぱり他の方とは違う。まさに“篠山マジック”。すごくこう……深いところを撮られる感じがしました」

 手塚もまた、

「紀信さんとのお仕事は一つ一つ意味があったと思っています。あれがなかったら今の私はなかった。何をどういうふうに撮るか、紀信さんはその場で決めるんですけど、今思うとどれも必然的なものを感じます」

 ひとりの男の死は、ひとつの時代の終焉(しゅうえん)でもあった。

週刊新潮 2024年5月2・9日号掲載

ワイド特集「黄金狂時代」より

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