首位・阪神の4番「大山悠輔」は現在、微妙な成績…FA権取得で今後、本人が意識することは?

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大山はFA行使するのか

 ここにきて、大山の「今後」を心配する声も出始めた。去る4月20日、大山は国内FA 権を取得した。同日の中日戦の始まる前、記者団の要請に応じて、

「感謝の気持ちというか、ここまでくるのに色々とありましたけど、一人では難しかったと思います。やっぱり、家族であったり、日々の練習であったり、生活。そういうところをサポートしてくださる裏方さんの存在、あとは担当スカウトの平塚(克洋=58)さんにすごくお世話になりました。金本(知憲=56)監督、矢野(耀大=55)監督、そして岡田監督に使っていただいたおかげで、こういう権利を取得することができたっていうのももちろんあるので、たくさんの方にまずは感謝したいと思いますね」

 と、感慨深げな表情を見せていた。

「昨年12月の契約更改でも、24年シーズン中のFA権取得を見越して、球団は複数年を提示しています。23年シーズン中から複数年の下交渉もされていましたが、大山が固辞して単年契約になりました」(ベテラン記者)

 複数年を辞退した理由は「連覇に集中するため」とし、「後輩の選手に、頑張れば年俸上がるんだぞということも見せていく必要がある」とも語っている。プロ野球選手として、まさにあるべき姿である。

 しかし、契約更改で「一年一年が勝負」と複数年契約を辞退し、取得後、他球団の評価を聞き、移籍した選手はこれまでにもたくさんいる。「大山もそのケースか?」と勘ぐられていた。その一方で推定年俸1億3000万円から2倍以上の2億8000万円の大幅アップを勝ち取ったことで、

「38年ぶりの日本一になった昨季に複数年契約を結ぶより、主砲として、連覇を成し遂げた後に複数年の話をしたほうが昇給幅も大きく、優位な交渉が出来る」

 と、大山の“思惑”を予想する見方もあった。

 チーム関係者などの話を総合すると、大山は“日本一のチーム”で4番を務めていることに誇りを感じているという。FAの行使は考えにくいが、今の成績を他球団の主砲と比べた場合、打率、打点、本塁打の全てにおいて見劣りする。「得点圏打率」も、巨人・岡本が3割4分8厘、中日・中田が2割9分9厘なのに対し、大山は2割5分(5日現在)。得点好機のチャンスに強いかどうかは、ファンに主砲として認められるのに欠かせない要素だ。

「5日の巨人戦での大山は、チームが勝っても悔しい思いをしていたと思います。近本光司(29)、佐藤輝明(25)の適時打で3点を挙げ、なおも走者を置いて大山に打席がまわってきました。結果は凡打。でも先頭バッターで打席に入った8回には二塁打を放っています」(ライバル球団スコアラー)

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