ゴルフ界の頼みの綱「ローリー・マキロイ」に異変 タイガー・ウッズ超えの可能性も

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最多勝利の可能性も

 さて、そのチューリッヒ・クラシック・オブ・ニューオーリンズに、親友どうしでペアを組んで出場した「マキロイ&ローリー組」は、初日から好発進し、最終日はサドンデス・プレーオフを制して勝利。これで、マキロイのPGAツアーにおける勝利数は通算25勝となった。

 通算勝利数で史上最多を誇るのは、サム・スニードとタイガー・ウッズの82勝で、以下、ジャック・ニクラスの73勝、ベン・ホーガンの64勝、アーノルド・パーマーの62勝と続き、マキロイの25勝は歴代では23位タイに相当する。

 しかし、すでに引退している選手や亡くなった選手を除外して現役選手だけで見てみると、最多勝利数はウッズの82勝、2位はフィル・ミケルソンの45勝、3位はトム・ワトソンの39勝、4位はビジェイ・シンの34勝で、マキロイの25勝は5位に位置付けられている。

 こちらの記録でマキロイがウッズに続く2位になることは、現実的に可能である。いやいや、頑張りようによっては、マキロイがウッズを追い抜いて最多勝利数を記録することも不可能ではない。

 昨今、PGAツアーとリブゴルフの対立や騒動が続いていることで、ゴルフ人気は低下したと言われており、今年のマスターズ最終日の米国におけるTV中継の視聴率は、驚くなかれ、前年比20%ダウンという惨憺たる結果だった。

 いまなお肉体が万全とは言えないウッズが48歳になり、シニア年齢にも近づきつつある今、ゴルフ界の頼みの綱は、もっぱらマキロイとなりつつある。キャリア・グランドスラムであれ、最多勝利数記録であれ、マキロイが偉業を達成して是非ともゴルフ界を盛り上げてほしい。

舩越園子(ふなこし・そのこ)
ゴルフジャーナリスト/武蔵丘短期大学客員教授。東京都出身。早稲田大学政治経済学部経済学科卒。1993年に渡米し、在米ゴルフジャーナリストとして25年間、現地で取材を続けてきた。2019年から拠点を日本へ移し、執筆活動のほか、講演やTV・ラジオにも活躍の場を広げている。『王者たちの素顔』(実業之日本社)、『ゴルフの森』(楓書店)、『才能は有限努力は無限 松山英樹の朴訥力』(東邦出版)など著書訳書多数。1995年以来のタイガー・ウッズ取材の集大成となる最新刊『TIGER WORDS タイガー・ウッズ 復活の言霊』(徳間書店)が好評発売中。

デイリー新潮編集部

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