ゴルフ界の頼みの綱「ローリー・マキロイ」に異変 タイガー・ウッズ超えの可能性も
マスターズが終わっても笑顔
マスターズで惜敗を喫したり、予選落ちしたりするたびに、口が利けないほど落ち込み、激怒して無言でコースを去ったりしてきたマキロイゆえ、まったく振るわなかった今年の大会後も、さぞかし落胆していることだろうと心配されていた。だが、マスターズ後のマキロイは、むしろ元気そうだった。
例年、マスターズ直後はオフを取っていたマキロイだが、マスターズ翌週のRBCヘリテージは、今年から賞金総額2000万ドルのシグネチャーイベントに格上げされたこともあり、今年は出場を決めた。33位タイと成績はいまひとつだったが、「マスターズで勝たなければ」というプレッシャーがなくなったせいか、憑き物が落ちたように爽やかな笑顔を見せていた。
そして、その翌週のチューリッヒ・クラシック・オブ・ニューオーリンズにも出場した。マスターズ前後で4連戦とは、マキロイの通常のスケジュール上では、ある意味、「異常事態」といえる。だが、同大会はPGAツアーで唯一のチーム戦であり、昨今、リブゴルフで行われているチーム戦を「PGAツアーでも採り入れるべきだ」と提唱していること、そしてアイルランドの親友シェーン・ローリーと昨年のライダーカップ後に「来年のニューオーリンズに一緒に出よう」と約束していたこともあって、過密スケジュールながらも出場を決めたという。
理事に復帰
開幕前、米ゴルフ界には「マキロイがPGAツアーの選手理事にカムバックする」という噂が流れた。自ら辞任した理事に、なぜ今さら復帰するのだろうかと関係者は驚かされたのだが、どうやら現在理事を務めているウェブ・シンプソンが2024年いっぱいで理事職から離れる意志を固め、後任としてマキロイを指名したと見られている。
「指名を受けて、理事に返り咲く意思はあるのですか?」と米メディアから問われたマキロイは「イエス。たぶん僕はPGAツアーのみんなの役に立てると思う」と答え、静かに微笑んでいたという。
ちょうど、そのころころ、PGAツアーが米コンソーシアム「SSG」とパートナーシップを結んで創設した新会社「PGAツアー・エンタープライズ」が約200名のPGAツアー選手に分配する株主資本の分配金が発表された。
最大額を得るのはタイガー・ウッズで1億ドル。マキロイは2番目に多い5000万ドルとされていた。
残念ながらマスターズで優勝してグリーンジャケットを羽織ることはできなかったが、マキロイには別のものが次々に押し寄せている。そして、マキロイの笑顔を見る限りでは、彼自身もそんな現状を「まんざらでもない」と受け入れている様子である。
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