九九が言えない“おバカアイドル”は「ぽかぽか」の救世主になれるか?

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おバカキャラを楽しめない時代

「業界内でも“面白いおバカ旧ジャニキャラ”として注目されるようになりました。クイズバラエティ番組『呼び出し先生タナカ』(フジ)にも出演し、今では“おば科”生徒として準レギュラーに。さらに、4月から『ぽかぽか』の月曜レギュラーとなり、その直前の3月29日に『芸能人が本気で考えた!ドッキリGP』(フジ)とのコラボ企画で遅刻ドッキリにはめられています」

 4月期のドラマ「東京タワー」には主演の永瀬廉 (King & Prince)の友人役として出演。板谷由夏が演じる人妻・浅野詩史の年齢について「30、いや42、3? いや、7×5=50……」とセリフでも九九の間違いをして見せたことが話題になった。

「思えば、旧ジャニーズ時代には考えられない扱われ方です」

 松田が所属するアイドルグループ・Travis Japanは、デビューまでに紆余曲折があったものの、22年3月にメンバー全員で米国に留学。共同生活をしながらダンスや歌、表現力などを磨き、アメリカの大手レコード会社・キャピトル・レコードと契約、10月にはジャニーズ初の全世界デビューを果たした。

「昨年1~3月に開催された凱旋コンサートを終えたときには、例の性加害問題がすでにくすぶり始めていました。もしかすると、おバカキャラをウリにし始めたのは苦肉の策だったのかもしれません」

 だが、視聴者からも何かとクレームが来る時代である。

「あまりおバカをキャラ立てすぎるのもどうかという声が上がり始めています。バカが過ぎると、視聴者から『こんなことも分からないのか』『ふざけすぎている』『視聴者をバカにしている』『非常識』という声が上がりかねません。昔のようにおバカを笑って楽しめる緩さは薄れ、ダメなものはダメという厳しさが支配する時代になり、おバカキャラを楽しむ余裕がなくなっているように思います」

 その上、おバカキャラの寿命はもともと長くないという。

こんなキャラやった?

「おバカの面白レベルを保つのは難しいのです。特に松田タイプの“真正おバカキャラ”の場合は、視聴者から“面白い”“面白くない”と常に厳しい目で見られます。さらに、バカを装う“ビジネスおバカ”ではないかと、穿った見方もされがちです」

 ドラマ「東京タワー」の記者会見では、主演の永瀬がこんなことも語っていた。

永瀬:最近、元太をバラエティで見ることが多くて、「あれ、こんなキャラやったっけ?」と思うことがすごくあるので、元太のバカが「ビジネスバカ」なのかもしっかり現場で見極めて、皆さんに発信していけたらと思っています!

 リップサービスとはいえ、身内からのビジネス疑惑である。

「おバカキャラが浸透して1年、未だに『九九が言えない』ネタをアピールしているようでは、そろそろ飽きられるという声が出ています。4月8日放送の『ぽかぽか』では、前任の白河れいが担当していた“1時間漬けチャレンジ”を松田に任せてみましたが、それきりになっています。ダウンタウンや明石家さんまさんなど、おバカキャラをイジって面白くしてくれる芸人がいればいいのですが、『ぽかぽか』ではそんなことをできる人は見当たりません。それでも松田がおバカキャラをアピールするとなると、今後はなかなか大変だと思いますね」

デイリー新潮編集部

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