相手が首相でも「ダメなものはダメ」 “政治に食い込む力があった”評論家・屋山太郎氏
政治評論家の屋山太郎氏は、“けんか太郎”の異名をとった。時事通信の記者時代から腹立たしいと感じたことを次々と問題提起。どんな相手にも臆さなかった。
1972年の自民党総裁選で田中角栄氏の派閥が他派に現金を渡す場面を目にする。かつて田中氏が地図に赤線を引く姿も目撃。新幹線の建設案だった。予定地を盟友に買い占めさせていたという土地買収のスキャンダルなど政治家の倫理に照らして恥ずかしいと思わないのか、と屋山氏は田中氏に記者会見で質問した。
国家の将来について目標を掲げ、どう実現させるか政策の是非を議論するのが国会だと、屋山氏は政治家の倫理観の欠落と先見性のなさ、政党の大衆迎合を危惧して発言を続けた。...