「ナンパされて車に連れ込まれそうに…」「車を盗まれて全損」 川口市が直面する「クルド人問題」に迫る【スクープその後】

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難民申請のカラクリ

 きっかけは2010年、入管当局が難民申請後、6カ月たてば一律に就労を認める運用を開始したことだ(現在、この措置は廃止)。

 約30年、クルド人を支援してきた松澤秀延氏は言う。

「クルド人は観光目的という体で入国し難民申請します。入国時に難民申請をすると入国拒否か入管施設に収容されてしまうので3カ月は観光ビザで在留して、2~3カ月以内にビザ変更のために難民申請します。難民審査は数年かかります。数年後に『1回目の難民不認定』になってもそれまでの間は特定活動の資格を更新し続けて在留できますから、子ども・母親・父親で家族一緒の生活ができます。その審査を繰り返すことで5年~10年特定活動ビザで就労が可能です。そうしたカラクリが“日本に行けば仕事ができる”というように現地にいるクルド人に伝わり、家族を呼び寄せたりして人口が爆発的に増えていく原因となりました。彼らには子どもが3~4人いますから1世帯あたり3倍4倍と増え、15年までに人口約2千人にまで増えたんです」

 クルド人が定住し始めた90年代は人数が少なかったため、文化の差異によるトラブルがあっても、直面するのは不動産屋や同じ集合住宅に住む人ぐらいのもので、地域の人たちが相対する場面は少なかった。

 しかし、彼らが次から次へと家族を呼び寄せ人口が増えれば増えるほど、あつれきが多く生じるようになった。特に15年ごろからは深刻なトラブルが頻発し、23年になって我慢の限界を超えたと感じる地元住民が急増、同時多発的に声を上げ始めた――ということらしい。

“悪いのはそっちだ”

 まず問題になっているのは、彼らの運転マナーだ。

「車間距離を過剰に詰めてきたり、割り込みをしてきたり、午前3~4時に爆走したり」(松浦市議)

 中にはSNSで危険運転を自慢する若者もいる。アップされた映像を見るとハンドル脇には缶チューハイ、メーターは時速約150キロであった。

 また過積載の状態で運転している解体屋のトラックの画像がたびたびSNSに上げられてもいる。

 取材中、事故の体験談は珍しくなかった。

「私の車が盗まれ街路樹に激突して全損した状態で見つかったんです。自分で調べてクルド人が犯人だと目星をつけました。その後、彼らが住む集合住宅を発見。警察に通報し逮捕に至りました。が、彼らには支払い能力がなく、結局、自腹を切って直しました」(住民)

 前出のKさんもその一人。

「2年前、同級生の家にクルド人の車が突っ込んできて。その後すぐ、クルド人が15人ほどすごい勢いで集まってきたんです。彼ら、声がとても大きくて、『むしろ悪いのはそっちだ』と意味不明の主張をしていました」

 23年10月には、車に激突された電柱が折れ、周辺一帯でWi-Fiが使えなくなるという事故があった。

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