小栗旬は続編への出演ならず…日本俳優のハリウッド進出を阻む壁 真田広之は特別な存在に

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演技に特化した英語力

「ハリウッドでは日本での実力や知名度は関係なく、オーディションを受けて役を得るのが基本です。そもそも日本の芸能事務所には、向こうのオーディション情報がほとんど入って来ません。かつては、大物キャスティングディレクターを通して入手するしか手がなかった。今は、現地のエージェント会社と関係を作れば情報が入って来るようになりました。小栗さんの事務所は、先代の社長がハリウッドの関係者にもコネがあったので“橋渡し”してくれたのです。しかし、やっぱり大事なのは英語力。ハリウッド進出を目指すなら、真田さんのように英会話はもちろん、演技に特化した特別なレッスンを受ける必要があります」(映画業界関係者)

 真田とともに「ラスト サムライ」に出演、ハリウッドデビューを飾ったのは渡辺謙(64)だ。劇中では英語のセリフを流ちょうに話し、「ゴールデングローブ賞」と「アカデミー賞」の助演男優賞にノミネートされたが、オーディションの段階では英語力がいま一つだったという。

「当初、渡辺さんの役には役所広司さんも候補にあがっていました。しかし、スキンヘッドで英語を流ちょうに話す武士、という特殊な役柄でもあり、184センチでがっしりした体格の渡辺さんが選ばれました。もっともオーディション時はそこまでの英語力がなく、合格後に猛特訓したそうです。すると、すっかり役がハマって“和製ユル・ブリンナー”としてハリウッドの関係者たちから大絶賛されました」(先の記者)

 その後、渡辺はクリント・イーストウッド(93)監督の作品「硫黄島からの手紙」(06年)に出演、嵐の二宮和也(40)と共演している。その二宮が22年8月7日放送のTBS系バラエティー番組「日曜日の初耳学」で、同作のオーディションの様子を明かしている。

 当時、それほど仕事がなかったという二宮は、事務所に「何かないですか?」と聞いたところ、同作のオーディション情報が。監督がイーストウッドだったことから、会いたい一心でオーディション会場に行ったものの、審査の場に監督は来ておらず、やる気を喪失した。そのためオーディションで出された「やりたいシーンを3つ選んで」というお題には、「黙っているシーンを3つやった」という。

 さすがにスタッフから「セリフのあるシーンを1つくらいやって」と注文され、渋々演じることに。だが、逆にその「やる気のない感じが現代的で、あの役にピッタリ」とスタッフの心に刺さり、晴れて役をゲットしたという。二宮は「オーディションで監督に会っていたら(興奮してしまい)間違いなく落ちていたんだなと思う」と振り返っていた。

「これは、かなりラッキーなケース。非英語圏の俳優は、英語が話せることをアピールしようと、語学の特訓の成果を出し尽くしても残念な結果になることが大半です。小栗さんは『ゴジラvsコング』で、渡辺さんがハリウッド版『ゴジラ』シリーズの『GODZILLA ゴジラ』(14年)などで演じた芹沢猪四郎博士の息子・芹沢蓮役を演じました。しかし、出演時間は10分に満たず。さらに、実験に失敗して白目をむくという、なんともなシーンもある雑な扱いで、結局、今作はお呼びが掛からずでした。一方、コンスタントにハリウッド作品からお呼びがかかっていた渡辺さんですも以前はロスを拠点にしていましたが、現在は再々婚相手と長野・軽井沢を拠点にしています」(先の業界関係者)

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