24時間体制で1体3時間、1日200体…インド全土から死者が集まるガンジス川「野外火葬場」潜入記
「もっと知りたいなら、私にお金を」
「もっと知りたいなら、私にお金を。私はすぐそこのホスピスのスタッフ。ここは普通の人を焼く場所だけど、私にお金を払うと金持ち用の火葬場も見せてあげる」と営業トークをなさった。
私はまだそういうのに慣れていなかったから、怪しい、と思って断って、その夜はただただ静かに見学して、火葬場のエリアをあとにした。火葬場から100メートルほど離れた階段のところに、サリーを着た6、7人の女の人がかたまって座り、全員に涙の痕跡があった。遺族だ、と思った。
「Sさんはお父さんを見送ってからまだ日が浅いから、火葬場が苦手なのでは。バナーレスで火葬できたことは誇りだけど、リアルを思い出すと辛い。そんな感じみたい」
と、待っていてくれた前田くんが、Sさんが去った後で言う。「Sさんの気持ち、なんとなく分かるよねー」と言い合いながら、ホテルに戻る(仕事とはいえ、しんどい思いをさせて、Sさんごめんなさい)。
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インドのヒンドゥー教徒が誇りとする「バナーレスでの火葬」。お墓の概念がない地域ではどのように遺骨を扱うのか? また「女性遺族は立ち入り禁止」の理由とは? 後編では火葬の具体的な手順などをお伝えする。
後編【遺体は裸でテカテカ、女性遺族は立ち入り禁止、なぜか水牛のお乳が…インド・ガンジス川の野外火葬場で見た驚きのしきたり】へつづく