結局はBS放送と同じ道を辿る…NHK「ネットのみ」視聴に1100円払う人がどれだけいるか?

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補完から有料化の前歴

「Netflixはスタンダードプランが1490円、Huluは1026円と、民間企業の配信も1000円前後と値段的にはそれほど変わりませんが、映画やオリジナルコンテンツなどが豊富ですから割安感がある。若者がチューナーなしのテレビを購入するのは、こうした民間の配信も見ることができるし、民放のバラエティやドラマもTVerなど広告付き無料配信で見られるからです。その一方で、チューナー付きのテレビを自宅に設置しただけでNHKの受信料が発生してしまうため、チューナーなしのテレビを購入する人もいる。NHKには1銭たりとも支払いたくない人も少なくないのですから、わざわざお金を払ってNHKの配信を見ようという人は多くはないでしょう」

 せっかくネット配信を“補完”から“本業”にしたのに、儲からなくては法改正までした甲斐がない。今後、NHKはどうするのか。メディア文化評論家の碓井広義氏は言う。

「NHKはかつてBS放送を補完放送としていました。地上波が届きにくい難視聴地域はもちろん日本のどこでも放送衛星でNHKを見られるようにするため、受信料は無料でした。ところが、いつの間にか有料化され、現在は地上波と併せて受信料は月1950円になりました。ネット配信も補完から本業になることで、同じような道を辿る可能性は十分にあります」

 つまり、テレビ受信料にネット受信料の上乗せである。さらに、ネットが視聴できるスマホやチューナーなしテレビへの受信料負担も考えられる。やはり補完に過ぎなかったはずのワンセグにも、受信契約の締結義務があるという最高裁の判例だって出ている。放送法の改正によっては、テレビの設置と同様、ネット配信も通信機器を持っているだけで受信料を課すとこじつけることもできるだろう。

「テレビ業界で視聴率が世帯よりも個人を重視するようになったのと同じく、NHKも世帯から取っていた受信料を個人から取るようになるかもしれません。今やスマホは一人一台の時代なのですから」(同・碓井氏)

NHK総合チャンネルを1週間に5分以上見ている日本人の割合

およそ半数の日本人はNHKを“週5分も見ていない” (出典:NHK放送文化研究所の「テレビ・ラジオ視聴の現況 2019年11月全国個人視聴率調査から」)(他の写真を見る

デイリー新潮編集部

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