驚異のがん予防効果! ブロッコリーのすごい力をプロが解説 52年ぶりに指定野菜に
調理しなくても食べられるという利点
従って、がん予防効果を期待し、効率よくスルフォラファンを摂取しようと考えた場合、成熟ブロッコリーよりもスーパー・スプラウトのほうが適しているといえます。もちろん、成熟ブロッコリーが“ダメ”ということではありません。前記した通り、さまざまな栄養が豊富で、糖質やタンパク質の代謝を促進する葉酸などはスプラウトよりも成熟ブロッコリーのほうに多く含まれています。それぞれの生長段階の良さがあるので、成熟ブロッコリーも積極的に摂取したい野菜であることは間違いありません。
成熟ブロッコリーやブロッコリー・スプラウトを含め、健康のために、できることならば良い食材を取りたいと考えている人は多いでしょう。しかし、そこにひとつの壁が立ちはだかります。調理などに手間がかかったりして面倒くさいと、現実問題としてその食習慣は続かないという難点です。
その意味においてもスーパー・スプラウトには利点があります。調理しなくてもおいしく食べられるからです。サンドイッチのようにパンに挟む。肉料理の付け合わせや、刺身のつまとして食べる。あるいはカイワレ大根のように手巻き寿司の具として使う。このように調理せず「そのまま」で存分に味を楽しむことができます。
私自身、朝食で野菜が足りない時などに、ネギと一緒にみそ汁にスーパー・スプラウトをサッと入れ、いただいたりしています。スルフォラファンは熱に強く、加熱しても損なわれないのが魅力のひとつでもあります。
「食による害は食で排除する」
がんには生活習慣の改善による1次予防と、早期発見・早期治療を行う2次予防、外科手術後の抗がん剤治療などによる再発予防という3次予防がありますが、食生活の改善はまさに1次予防です。
本来、発がん性物質などの有害物質を体内に取り込まないことが望ましいわけですが、先ほども触れたように、一切の有害物質を取らないようにすることは、現代の食生活においてはまず無理です。もし本当にそれを実践しようとするとストレスを抱え込み、むしろ不健康になってしまう恐れがあって本末転倒です。
そこで大事になってくるのが、食から栄養を摂取することとともに、「食による害は食で排除する」という考え方です。この点から見ても、スルフォラファンを豊富に含んだブロッコリーは、やはり「冠」の称号にふさわしい野菜といえるでしょう。
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