驚異のがん予防効果! ブロッコリーのすごい力をプロが解説 52年ぶりに指定野菜に
驚きのがん予防効果
タラレー教授の実験によれば、発がん性物質を投与したラットを二つのグループに分け、一方には成熟ブロッコリーから抽出したスルフォラファンを与え、もう一方には与えなかったところ、後者の腫瘍発生率は66%であったのに対し、前者では26%にとどまりました。また、1匹のラットにおけるスルフォラファンの投与量の差による効果の違いを検証すると、なにも投与しなかった場合の腫瘍発生数を100%とした場合、少量投与だと44%、多量投与だと33%にまで低減しました。
さらに2002年には、ブロッコリーにはピロリ菌を除去する効果があるとの研究発表が別の研究者によって行われています。ピロリ菌の保有者は胃炎、胃潰瘍、胃がんと進んでいくリスクを抱えていて、WHO(世界保健機関)も発がん原因のひとつとして認定しています。
このように、がん予防効果に優れているブロッコリーは、生長状態によって、その効果の高まりが一層期待できることが分かっています。
栄養成分が凝縮されたスプラウト
発芽野菜のことを英語でスプラウトと言い、「ブロッコリー・スプラウト」とは、「新芽のブロッコリー」を指します。形状としてはカイワレ大根をイメージしていただければいいでしょう。
植物は新芽となって伸びていく時に膨大なエネルギーを使うため、新芽には栄養成分などが凝縮されていて、100グラムあたりのスルフォラファン含有量を比較すると、成熟ブロッコリーの12ミリグラムに対し、ブロッコリー・スプラウトは100ミリグラム。さらに、発芽後3日目の非常に“若い”スプラウトだと、含有量は258ミリグラムにもなります。成熟ブロッコリーの実に21.5倍ものスルフォラファンを含有しているのです。成熟ブロッコリーを1週間で1キログラム食べて発揮されるがん予防効果が、発芽後3日目のスプラウトであれば50グラム程度で達成されることになります。この驚異のスルフォラファン含有量から、発芽後3日目のスプラウトは「スーパー・スプラウト」と名付けられています。
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