サウナではどこに座るべき?自宅でできる「究極の入浴術」は? お風呂のプロが解説する、最強の入浴方法

ドクター新潮 ライフ

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全国平均の10倍の温泉入浴回数

 ここまで、「温泉」の選び方や「温泉地」の効能について説明してきましたが、温泉をさらに効果的に活用するにあたっては、温泉“大国”ニッポンの中でも、とりわけ温泉“大県”の人たちの行動にヒントが隠されているはずです。

 源泉数、湧出量ともにナンバーワンの大分県。湯布院や別府といった日本有数の温泉地を誇る同県は、世界一の温泉天国と言っても過言ではないでしょう。例えば東京に住んでいると、日常的に温泉に入れる環境にはありません。しかし、大分の人は身近にいくつもの温泉地が存在する。彼らの「温泉行動」には学ぶべきものが多いのではないか。そこで2018年、私たちの研究チームは大分の県庁職員1182人を対象に大規模な調査を実施しました。

 その結果、まずやはり大分の人は温泉入浴回数が多く、全国平均の10倍に達していました。月1回以上温泉に入っている人は実に過半数の55.6%、ほぼ毎日温泉に入浴している人も4.0%いました。

牛乳、コーヒー牛乳の効用

 その上で、調査対象者に温泉に入る時の「こだわり」を聞くと「水分補給」が最も多く、とりわけ牛乳やコーヒー牛乳を飲むと答える人が目立ちました。入浴後の牛乳とコーヒー牛乳は「定番」ですが、大分県の人も実践しているということは、単なる慣習ではなく何らかの健康効果がある蓋然性が高いといえるのではないでしょうか。事実、牛乳は脱水回復効果が高いとの実験報告もあります。

 また、温かいお湯とぬるめのお湯(あるいは水風呂)に交互に入るというこだわりを持つ人も多くいました。「温冷交代浴」は、最近の研究でアスリートでの疲労回復効果が報告されています。大分の人は、その効果を肌で感じてきたのかもしれません。

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