「結婚はいつなの?」親の“小言”にバカ高い交通費 若者が“帰省したがらない理由”を徹底検証
結婚の話はしないでほしい
とはいえ、A氏の場合、子どもが喜ぶ顔を見たり、親が子どもをかわいがる光景を目にしたりするのは「なんだかんだで楽しい」と言い、費用さえ掛からなければ帰省は好ましいことだと考えているようだ。ところが、本気で帰省を嫌がっている人もいる。それは、帰省のたびに親からかけられる言葉のせいだという。
自営業のB氏は35歳で独身、女性経験も一度もなく、彼女は今まで一人もいたことがない。そんな彼は、親との関係は決して悪いわけではない(だから帰省できるのだ)らしいのだが、「親から毎回のように“彼女はできたの?”“子どもの顔が見たい”と言われる。これだけがとにかく嫌で仕方ない」のだという。
地方出身の特に長男などは、帰省のたびに家族からの“結婚圧”が強すぎてしんどいという声はよく聞く。また、未婚女性も、親からハラスメントまがいの言葉をかけられることがあるようだ。もちろん、親は別に悪気があって言っているわけではない。子どものことが心配で声をかけるケースがほとんどだろう。だからこそ、余計にしんどいのである。B氏はこう話す。
「親があちこちで“息子の結婚相手はいないかしら”と話をするから、今や親戚はもちろん、実家がある集落の人たち全員が、僕に彼女がいないことを知っている。プライバシーの侵害ですよ。本当に勘弁してほしいです。お盆や年末年始は、親戚からも“早く結婚しろ”と言われるし、お見合いの話を聞かされることもありますが、本当に余計なお世話だと思います」
騒動に巻き込まれ、雑用を任される
そこまで面倒なら、別に帰省なんてしなくてもいいのではと思ってしまう。しかし、B氏は「長男だし、親から無言の圧力があるせいで、やっぱり帰省しなければという思いがあるんですよ。でも、中学の頃からの友達にも会えるし、なんだかんだで地元でゆっくりしたいという思いもあります。だから、いつもどうしようか迷うんです」と話すように、帰省事情はなかなか複雑なのである。
ただ、久しぶりに実家に帰ると、様々なトラブルが待ち構えていることはままある。最悪なのが、家族や親戚の争いごとに巻き込まれたり、聞きたくもない愚痴ばかりを聞かされたりすることだ。お盆や年末年始に親戚同士で集まる場が、修羅場になってしまったという話もよく聞く。特に、遺産相続など、財産を巡る争いごとがあったりすると、最悪である。
農作業の手伝いや、部屋の片づけなどの雑用を頼まれることも多い。親としては大助かりなのかもしれないが、片付けだけで1日終わってしまった、という体験をした人もいるのではないだろうか。前出のA氏は「年末年始に帰省すると、雪下ろしや雪かきをさせられるので、かなりの重労働」と話すが、休もうと思って帰省したらさっぱり休めなかったという失敗談も“帰省あるある”だろう。
ところで、筆者の体験談をもとに話すと、帰省の際、できれば実家に置いてある思い出の品やコレクションなど、重要な品物はできる限り運び出すことをおすすめしたい。家族が勝手に思い出の品や貴重なコレクションを処分していることは、ままあるためだ。筆者は実家に置いていた貴重なおもちゃやサイン色紙などのコレクションが売却されてしまい、唖然としたことがある。卒業アルバムなどを誤って雑誌などと一緒にごみに出された知り合いもいるし、なるべく持ち出しておくべきであろう。
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