大学生ドラフト候補が「大豊作」か? 侍ジャパン「井端弘和監督」が評価するスラッガー、元日本ハムの名手を父に持つ有望外野手が続々登場!

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今年の東都大学野球で一番のピッチャー

 投手をみると、昨年12月の大学日本代表候補合宿でアピールに成功した、環太平洋大の徳山一翔と日本体育大の寺西成騎が、4月14日終了時点で登板がなく、調整の遅れが気になるところ。

 その一方で、国学院大の坂口翔颯が評価を上げている。ここまで味方の援護がなく連敗スタートとなったものの、開幕戦では強打の青山学院大を相手に被安打4、1失点で完投。視察したスカウトは、坂口を高く評価するコメントを口にしていた。

「立ち上がりは少し慎重になり過ぎるところがありましたが、2回以降は全く危なげなかったです。昨年と比べて、全てのボールが良くなっていますね。試合の終盤でも球威とコントロールが安定していました。年々成長が感じられますし、今年の東都大学野球のなかで、一番のピッチャーではないでしょうか」(セ・リーグ球団スカウト)

 ストレートは140キロ台後半と最近の大学生にしては驚くような速さがあるわけではないとはいえ、多彩な変化球を操り、コントロールも安定している。比較的早く使える投手が欲しい球団は、高く評価する可能性が高いだろう。

父は「内野の名手」

 最後に外野手。今年は、西川と渡部以外にも、富士大の麦谷祐介や立命館大の竹内翔汰、大阪経済大の柴崎聖人、金沢学院大の井上幹大といった実力がある選手が少なくない。

 なかでも、立正大の飯山志夢が一気に評価を上げている。父は日本ハムで内野の名手として活躍した飯山裕志氏(現・日本ハムスカウト)。飯山は昨春のリーグ戦(東都二部)で首位打者を獲得し、大学日本代表候補に選出されている。

 今春のリーグ戦では、開幕週で東洋大を相手に3試合で5安打3盗塁をマーク。筆者は開幕戦のプレーを現地で確認したが、バッティングだけでなく、センターの守備と走塁でもたびたび好プレーを披露していた。スピードのあるリードオフマンタイプとして、今後もスカウト陣の注目を集めることは間違いない。

西尾典文(にしお・のりふみ)
野球ライター。愛知県出身。1979年生まれ。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究。主に高校野球、大学野球、社会人野球を中心に年間300試合以上を現場で取材し、執筆活動を行う。ドラフト情報を研究する団体「プロアマ野球研究所(PABBlab)」主任研究員。

デイリー新潮編集部

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