元横綱・琴櫻が「32歳で横綱昇進」を成し遂げたワケ “投げを封印”で覚醒(小林信也)
大関・琴ノ若が5月場所から二代目琴櫻を襲名する。祖父であり佐渡ヶ嶽部屋の先代師匠の四股名を継ぐ。世間はおおむね祝福モード、家族3代におよぶ成功物語として伝えている。
だが、先代・琴櫻が活躍した昭和の時代、すでに熱心な相撲少年だった私からすると、違和感が拭えない。字面を見れば美しい四股名だから、色白でしなやかな琴ノ若には似合いの名前。けれど先代は無骨でゴツゴツした印象。「猛牛」の異名どおり、相撲も泥臭く猪突猛進的だった。琴櫻と聞けば怖いほどの迫力を思い出す。...