「そのサザエ、捕っても大丈夫?」磯遊びや潮干狩りでも“密漁”に…罰則強化も増え続ける「一般人の検挙」

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レジャー感覚でも犯罪の可能性

 組織的・計画的な密漁は言語道断だが、磯遊びなどで「少しくらい……」「見付からなければ」といった軽はずみな違反行為も見逃せない。前述の通り、アワビ、ナマコ、シラスウナギの採捕は全面禁止、つまり「一発アウト」。無人島であろうとなかろうと「捕ったどー!」では済まされないのだ。

 このほか、サザエやイセエビなどを捕ることも禁止されており、都道府県ごとの漁業調整規則を知っておく必要がある。海辺には、そうした密漁行為の抑止策として「密漁は犯罪です!!」などと表記した看板などが設置されており、注意が必要だ。

 手軽なレジャーである潮干狩りでも、「禁止されている漁具を使ってアサリやハマグリなどを大量に捕る例が散見される」(潮干狩り場の管理組織)という。地域ごとのルールで例えば、潮干狩りでは熊手はOKだが、大がかりな鋤簾(じょれん)や、熊手の爪の間に網が付いた「忍者熊手」はNG、といったルールが設けられていることもあり、違反者には罰則が科されることも。

 このほか、本マグロについては今、釣りが全面禁止されている。30キロ未満の小型は以前から禁止されているが、今年4月6日から5月31日まで、30キロ以上の大型も、釣るのはご法度だ。遊漁採捕量が規制の上限に迫ったためで、こちらも無視して釣り上げれば罰則が適用されるため、十分ご注意を!

川本大吾(かわもと・だいご)
時事通信社水産部長。1967年、東京生まれ。専修大学を卒業後、91年に時事通信社に入社。長年にわたって、水産部で旧築地市場、豊洲市場の取引を取材し続けている。著書に『ルポ ザ・築地』(時事通信社)など。最新刊に『美味しいサンマはなぜ消えたのか?』(文春新書)。

デイリー新潮編集部

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