今度は「ハワイの不動産会社」の広告塔に…大谷翔平のCMがアメリカでまだまだ少ない理由

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取材に応じた不動産会社

 これでは“怪しげな広告塔”ではないか──日本でも世論が沸騰し、これに一部のメディアが反応した。週刊女性PRIMEは「不動産業者に違和感」、NEWSポストセブンは「水原容疑者の悪しき影響」、Smart FLASHは「イメージ違ってショック」など、やや批判的なスタンスで報道した(註)。

「日本の大手メディアも動きました。特に民放キー局が不動産会社に取材を申し込むと、オーナーの日本人女性が応じました。彼女は大谷選手と契約を結ぶと、約2年前に大谷選手が現地を訪れたことを明かしたのです。購入価格は回答を拒否したものの、オフシーズンのトレーニング拠点になる可能性について言及するなど、その他の質問には丁寧な説明を行いました」(同・記者)

 会社側としては「怪しげな不動産業者ではないのか」という疑念の声を払拭したいと考えたのだろう。もちろん、分譲地の宣伝になるという計算もあったに違いない。

「これほど大谷選手の広告が注目されるのは、彼が特異な野球選手だからです。大谷選手は20社近い企業と広告契約を結んでおり、巨額の収入を得ています。アメリカのスポーツビジネスメディアの『スポルティコ』が4月8日、プロスポーツ選手の年収ランキングを発表しました。1位がロナウド、3位がメッシとサッカー選手が目立つ中、大谷選手は16位で約103億円。これは野球選手では世界トップだったのです」(同・記者)

日本企業が中心の広告

 ランキングに入っているプロアスリートの収入は一般的に、巨額の年俸や賞金に広告収入が加わったものと考えられる。ところが大谷の場合、ドジャースと巨額の後払い契約でも明らかになったように、収入は広告が圧倒的に多い。これは極めて珍しいと言えるだろう。

 多くの有名企業が大谷の広告価値を認めており、大谷の姿は試合だけでなくCMでも映し出される。その中には議論を呼ぶものも出てしまう──これが今回の“広告塔騒動”が起きた原因だったのではないだろうか。

 メジャー研究家の友成那智氏は「まだまだ大谷選手の広告は日本企業が中心で、アメリカで目にする機会はそれほどありません」と言う。

「アメリカ発の広告で私の印象に残っているものは、サングラスメーカーとして有名なオークリーのCMです。数年前に試合を見ていると、途中で大谷選手がサングラスをかけたCMが放送されました。日本で大谷選手の広告は圧倒的な量ですが、アメリカでは非常に限られています。そもそも最近はアメリカで野球選手の広告を目にすることがあまりありません。今はレンジャーズに所属している投手のマックス・シャーザーが、求人検索の『Indeed』のCMに出演していたくらいでしょうか」

 ちなみに先に紹介したスポルティコのランキングによると、シャーザーは約90億円で、野球選手としては大谷に次ぐ2位に入っている。ただし彼は2021年、メッツと3年総額1億3000万ドル(約200億円)の契約を結んだ。これは当時、MLB(メジャーリーグ・ベースボール)の史上最高額だった。

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