「ペアローン世帯」増加で、住宅ローン「団信」に熱視線が注がれる理由 がん保険よりも“圧倒的に割安”のカラクリとは

ビジネス

  • ブックマーク

万が一の際、夫婦両方の残債0円になるローン

 また、今年2月には、さらにもう一歩進んだ「団信」の登場が明らかになった。銀行大手の「りそな銀行」が“ペアローン型団信”の取り扱いを発表したのだ。

 ペアローンとは、物件の購入資金を夫婦それぞれが同じ金融機関からのローンで調達する方法のこと。共働き世帯が増えたことや、マンション価格の高騰により、近年では若い世帯を中心に一般的なローン形態となっている。

「弊社では、近年の住宅ローン取り扱いのうち9割が変動金利によるお借入れで、全体の3割はペアローンです。また、ペアローンの比率は年々増加傾向です」

 そう話すのは新たに「がん特約付きペアローン型団信」(以下「ペア団信」)をリリースしたりそな銀行で、団信の設計に携わる担当者だ。

「営業方針としてペアローンを推奨しているわけではありませんが、住宅価格の高騰によって、必然的にペアローンでお借入れされる世帯が増えているのが実情です」(担当者)

 りそな銀行が10月1日から取り扱いをはじめる「ペア団信」は、債務者となる夫婦等どちらかが死亡もしくは高度障害を負うか、所定のがんと診断された場合に、両者の住宅ローンが0円になるというもの。日本生命との共同開発で生み出された“新商品”だ。

「特に好立地な都心マンションなどは、 ペアローンを組まないと手が届かないぐらい値上がりが続いています。ただ、ペアローンは一方に“万が一”があった際、残された人が仕事をしながら返済を続けなければならず、負担が大きい。ペア団信で利用者のそうした不安を取り除くことができれば」(担当者)

 通常の団信に比べると、保障内容が加わる分、金利が上乗せされることになるが、借入額の多い夫婦にとっては、万が一の際に残債が0円になるというのはインパクトが大きい。

次ページ:「団信自体を目当てに住宅ローンを組む人はいない」

前へ 1 2 3 次へ

[2/3ページ]

メールアドレス

利用規約を必ず確認の上、登録ボタンを押してください。