岡本和真(27)「今オフのポスティング移籍」は公然の秘密 “筒香獲り”失敗でも「4番流出やむなし」という巨人のウラ事情
優勝がポスティング容認の条件ではない
巨人のチーム関係者が言葉をつなぐ。
「特に原(辰徳)前監督の権限が強かった昨季までは相手投手だけではなく、ベンチと闘うことがあり、閉塞感を味わっていたことでしょう。それだけに、WBCで野球をする楽しさを全身で表現していた大谷に受けた影響は大きかったようです。大谷に倣って、それまで熱心ではなかったウエートトレーニングを本格的に始めたぐらいですから。WBCを境にメジャーへの思いは抑えられなくなったんだと思います」
ポスティングによるメジャー移籍が実現すれば、巨人の生え抜き選手としては初めてのケースとなる。
「昨季に続き、主将を務める今季、4番の役割を果たし、チームが優勝すれば球団は認めるしかないでしょう。優勝できなくても本塁打や打点のタイトルとか、個人として一定の成績をクリアすれば、これも認める流れになるでしょう。そうしなければならない事情を抱えていますから……」(同関係者)
かつて巨人で海を渡った選手は当初、松井秀喜外野手、上原浩治、高橋尚成両投手のようにFA権を行使してのものだった。それが19年オフ、生え抜き選手でなかった山口俊投手の契約書に盛り込まれていたとはいえ、ポスティング移籍を容認したことで流れが変わった。
菅野にポスティングを容認した過去
20年、巨人一筋のエース、菅野智之投手に対し、生え抜きとしては初めてポスティング移籍を認めた。最終的に交渉が不調に終わり、菅野はメジャー挑戦を断念したものの、この時、球団が下した決断は現在に至るまで重い事実として球団の歴史に残っている。
「菅野に認めているのに、岡本には認めないというわけにはいかないでしょう。岡本が納得するはずがありません。山口で終わっていれば、生え抜きではないからという理由を付けられたかもしれませんが……。岡本以外でも今後、生え抜きでメジャーを希望する選手が出てくれば、ポスティングの容認は避けられなくなっています」(同前)
岡本はメジャー挑戦に向けたモチベーションの高さの表れか、開幕から主要打撃3部門で好成績を残している。「岡本は今季のテーマに打点を掲げています。首脳陣に求められたということ以上に、チームの勝利に直結するような活躍をしてメジャーに行くんだという気持ちがにじみ出ているとみています」(元NPB球団監督)
今季、シーズン30本塁打以上をマークすれば王貞治、野村克也らNPBで過去5人しかいない7年連続の快挙となる。昨季まで本塁打王に3度、打点王には2度輝いている。セ・リーグ制覇も19、20年と2度経験した。
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