「水原容疑者」撮影成功の秘訣は「パパラッチとしての経験と直感」 “奇跡の一枚”を独占撮影したカメラマンが語る弁護士との攻防

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「ミズハラを撮ろうと思った理由は…」

 このひと月余り、日米スポーツ界の話題を独占し続ける「水原一平」事件。その発覚後、一切表に出ていなかった容疑者の近影を独占で捉えたのが、彼がうつろな表情で振り向いた一枚である。各国メディアがこぞって掲載することとなったスクープショットを撮影した女性パパラッチが、“奇跡の一枚”の撮影秘話を語った。【前後編の前編】

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 4月12日、保釈許可を得るなどのため、ロサンゼルスにある連邦裁判所に姿を見せた水原一平容疑者(39)。裁判所には100名にも及ぶ報道陣が集結した。

 もちろんその中にはカメラマンも多数。事件後初の姿をファインダーに収めようと狩人のように水原容疑者の姿を追ったが……。

 その姿をゲットできたのはたった一人。広く知られることとなるあの一枚を撮影したのは、ジゼル・グテーレス氏。世界のセレブにまつわるニュースや写真を提供するメディア「.backgrid」の専属カメラマンである。

「私はカメラマン歴16年。いわゆるパパラッチで、日本でも知られているセレブだと、ブラッド・ピット、パリス・ヒルトン、ジャスティン・ビーバーなどを撮ったことがありますね」

 と自己紹介するのは、そのジゼル氏本人である。

「今回ミズハラを撮ろうと思ったのは、彼はセレブではありませんが、事件はここアメリカでも大きな話題になっているからです。特にロサンゼルスはドジャースの地元。オオタニ選手が関係する事件ということで、とりわけ大きな注目を集めていますよ」

「パパラッチとしての経験と直感」

 その日、いつもコンビを組む相棒、ガブリエル・ヌーニェス氏と共に、連邦裁判所に向かったジゼル氏。

 ロサンゼルスのダウンタウンには、連邦政府の裁判所関連施設が複数ある。

 司法当局に出頭した水原容疑者が足かせを付けられ、拘束されていたのが、ロイボール・フェデラル・ビルディング。

 そしてその後、水原容疑者は出廷のために、ファーストストリート・USコートハウスに車で移送された。

「ミズハラが保釈されたら声明を発表する」

 移送の間、水原容疑者の代理人であるマイケル・フリードマン弁護士は施設と施設との間を歩きながら、メディアにそう伝えたという。

「そのため、多くのメディア関係者は、コートハウスのメインエントランスで待ち構えていたんです」

 とジゼル氏が続ける。

「弁護士と共に、ここに彼が現れるかもしれないと思ったんでしょう。でも私はそんなことはないだろうと思った。理由? うーん、パパラッチとしての経験と直感ですね」

予想がまんまと的中し…

 水原容疑者側の“陽動作戦”にはかかるまいと独自行動を取ったジゼル氏。

 ガブリエル氏には他のメディアと一緒に正面玄関で待機してもらい、彼女は一人裏口に張り込んだという。

「すると、しばらくしてから黒いスーツに白いシャツのミズハラが弁護士と一緒に出てきて、待たせていた運転手付きの黒い車に乗り込んだ。一瞬の出来事でした」

 車を追おう! ジゼル氏はそう判断し、ガブリエル氏に連絡した。

 この段階ではまだ撮影には成功していない。彼女はどう動き、撮影に成功したか。後編では、相棒・ガブリエル氏の証言と併せて、二人しかにしか語れない現場の緊迫した瞬間について報じている。

週刊新潮 2024年5月2・9日号掲載

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