中学校同級生と「10年愛」を実らせたビーチサッカー選手の結婚裏話 突然「早く結婚した方がいい」と思い至ったワケは

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ビーチサッカーチーム入団を機に同居スタート

 颯さんは立正大に進学後、ヴェルディビーチサッカーに入団する。東京・立川市のタチヒビーチの練習場に通うのに実家からは120分。時間がもったいないと2021年5月に同市に引っ越し、「一緒に住んじゃおっか」と同居を始めた。

 料理は実家でほぼしていなかったなづなさんも、腕を振るうと「めちゃくちゃ上手だった」(颯さん)。好評なのは餃子で、餡にしっかり味付けして、あえてタレなしで食べる。今や定番のメニューだ。

「早く結婚」の思いに駆られ…

 昨年11月12日。颯さんは「明日、指輪を買いに行こう」と突然思い立つ。「早く結婚した方がいい」との思いが胸を占め、翌日、新宿まで出かけて指輪を購入した。「いざ手に入れるとすぐに渡したくなって」、帰りの電車で立川にあるイタリアンの個室を予約した。が、手違いで個室でない卓での食事となってプロポーズできず。ショッピングモール「グリーンスプリングス」に舞台を移し、「結婚してくれますか」と指輪を渡した。答えは「はい」。10年愛が結実した。

最初は洗濯機も回せなかった

 サッカー漬けの日々を送ってきた颯さんは家事を全くしてこなかった。なづなさんによると「最初は洗濯機も回せなかったし、食品ラップの切り方も知らなかった」。だが入籍直後、彼女が体調を崩して入院すると、颯さんはその間の家事をどうにかこなして、

「なづなの苦労が分かったし、大切さが身に染みた」

 颯さんが今目指しているのは、来年5月にセーシェル共和国で開催予定の第13回FIFAビーチサッカーワールドカップへの出場だ。

 まだ新婚旅行がおあずけの二人。だから、なづなさんは「現地に行って応援したい」。颯さんが代表入りすれば、赤道直下のインド洋に浮かぶ“地上最後の楽園”がハネムーン先になる。

 まずは代表入りへ。同級生二人の物語の第二章が始まった。

週刊新潮 2024年4月25日号掲載

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