嘘をつき続けた水原一平容疑者が土壇場で大谷翔平に明かした“本音” 臨床心理学の専門家が読み解く「依存症だけでは説明がつかない動機」
ドジャース・大谷翔平の銀行口座から1600万ドル(約24億6000万円)の不正送金が行われた問題で、アメリカの捜査当局は現地時間の4月11日、元通訳だった水原一平容疑者を銀行詐欺罪で訴追したと発表した。起訴状などから水原容疑者は嘘に嘘を重ねてきたことが明らかになり、多くの人が衝撃を受けた。
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特に話題を集めたのは、ニューヨーク・タイムズの電子版が13日に報じた「大谷の目まぐるしい3週間 捜査当局は嫌疑なしの結論(Ohtani's Dizzying 3 Weeks End in Exoneration by Authorities)」との記事だった。担当記者が言う。
「3月20日、ドジャースは韓国のソウルでパドレスとの開幕戦を行いました。試合後、クラブハウスで水原容疑者は選手などチームの関係者に『自分はギャンブル依存症で、胴元への借金を大谷に払ってもらった』などと説明したのです。ニューヨークタイムズの記事によると、大谷選手は水原容疑者の英語を完全には理解できなかったものの、不審な点には気づいたそうです」
数時間後、宿泊先のフェアモントアンバサダーホテルの地下にある会議室に呼び出し、大谷は水原容疑者に説明を求めた。
「水原容疑者は大谷選手に違法賭博の負け分が莫大な借金になっており、返済のために大谷選手の口座から不正送金を行ったことを白状しました。ところが、最後の最後でも水原容疑者は捜査の手から逃げ切ることを諦めず、スポーツ専門局ESPNの取材やクラブハウスで説明した『胴元への借金を大谷に肩代わりしてもらった』という作り話に協力してくれるよう頼んだ──とニューヨークタイムズは報じたのです」(同・記者)
水原容疑者は悪人か?
日米のメディアは争うようにしてニューヨークタイムズの報道内容を伝えたのはご存知の通りだ。そもそも水原容疑者は胴元に嘘をついて賭博を続け、銀行に嘘をついて不正送金を行うなど、嘘で嘘を塗り固めてきた。そして最後は大谷に向かっても「自分の嘘に協力してくれ」と頼んだわけだ。世論が驚愕したのも当然だろう。
新潟青陵大学大学院の碓井真史教授(臨床心理学)は「日米のメディアと、その読者も驚いたと思いますが、私だって心の底からびっくりしました」と言う。
「大谷選手に“スーパーマン”というイメージがあるのは言うまでもありませんが、水原容疑者だって『非の打ち所のない優秀な通訳であり、大谷選手の右腕、側近、相棒、親友』というイメージがあったと思います。それが一気に崩れたのですから、多くの人が仰天するはずです。さらに水原容疑者の事件は、善と悪に対する根源的な疑問を突きつけたと考えています」
殺人犯を善人と思う人はいないだろう。だが、人を殺めた者は全員が悪人だとも言い切れない。介護疲れによる犯行など、裁判で情状酌量が認められる事件は少なくない。
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