島崎和歌子はなぜバラエティー番組から絶対にいなくならないのか 「一番になろうとしない」という特異なスタンス
これだけ人気でもいまだにSNSアカウント無し テレビオワコン時代に光る「テレビ一本」という男気
テレビがオワコンと言われる時代に、島崎さんが重宝される理由。それは彼女の、「テレビ一本」という男気あふれる姿勢が一番大きいのではないだろうか。これだけSNSが大流行していても、YouTubeはおろかXもInstagramもやっていない。島崎さんの肉声が聞けるのはテレビだけだ。だからこそテレビに対する思いの強さがうかがえる。
この春の「オールスター感謝祭」では、若手人気俳優の高橋文哉さんのチャレンジ時に、声援を飛ばした大勢の「女性スタッフ」に怒り競技を中断させた。「アッコにおまかせ!」では、海外を拠点にしてたまに帰国して番組出演をすると言ったフワちゃんに、「すごいナメた仕事してるね」とも発言。テレビ制作現場の空気のよどみや緩みを見過ごせない、という島崎さんの矜持が伝わるエピソードではないだろうか。「あちこちオードリー」でも、スマホでの撮影や見たこともないメーカーのお茶が出てくることを挙げ、最近のテレビ業界の苦境ぶりを嘆いていた。
SMAPが「ナンバーワンにならなくてもいい、もともと特別なオンリーワン」と歌ったのは2002年だが、島崎さんはまさにオンリーワンの存在感で芸能界を走り続けてきている人だ。でもテレビとは、もともと何かのナンバーワンだけが出られる場所だった。歌や話芸、美貌に学問、特殊な技能。おそらく島崎さんは、共演者やスタッフがナンバーワンになろうとしているか、ナンバーワンたる何かを持っているかを見つめ続ける、最後のテレビ人なのではないだろうか。いわば彼女はテレビ界ナンバーワンの見届け人であり、その姿勢こそがずっと出演枠を失わない最たる理由にも思うのである。
島崎さんはただの「無駄に美人」ではない。「無駄にテレビの将来を考えすぎている美人」でもあるのだろう。でもその真面目さや責任感の強さが、島崎さんが愛される理由に違いない。「オールスター」の打ち上げでは、率先してお酒と氷を手に飲み物を作っているという話を有吉さんが明かしていたこともある。私の推論が正解かどうかは分からないが、この先も島崎さんの「アンサーチェック!」のかけ声は聞き続けたい。
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